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読売新聞朝、刊記事「顔」
職場は標高約4200m
すばる望遠鏡の案内役を務める長谷川久美子さん(39)
最も高い場所で働く日本人ガイドかもしれない。職場は標高約4200メートル。ハワイ島マウナケア山のすばる望遠鏡だ。10月に始まった見学会の案内役となり、「望遠鏡も職員も皆、すごい能力。誇りに思います」と語る。
この島に住んで16年。保険会社などに勤めながら副業として観光ガイドをするうちに、島の自然や文化の豊かさにひかれ、のめりこんだ。旅行会社へ転職したが、「集客優先の安いツアーより、島の魅力を存分に感じてもらう旅を手作りしたい」と2000年に独立。その情熱と経験が、案内役を探していた国立天文台の目に留まった。
見学会では「スバルを運営するのは自動車会社?」といった米国人の珍問にも「いいえ、政府よ。『すばる』はプレアデス星団の和名なの」と丁寧に説明し、日本の科学のPRに貢献している。
マウナケアは島の先住民にとっては聖地であり、観測活動に対する反発も根強い。自然破壊も懸念されている。そんな微妙な状況をよく知るだけに、望遠鏡を案内する立場には「正直なところ、複雑な思いもある」という。
すばるの案内、自分の会社のエコツアー、ハワイ大の野鳥観察会の指導など幅広い仕事で多忙な毎日だが、そんな生活を米国人の夫が支えてくれる。「10歳の三女は、私の仕事を継ぎたいと言っているの」。“愛夫”弁当をほおばる顔が、一段とほころんだ。(科学部 増満 浩志)
http://www.yomiuri.co.jp/komachi/news/20041215sw11.htm