蝶など
ハワイのイトトンボ
古生代後半の石炭紀末期(約2億9000万年前)には、原始的なトンボがいたそうです。翅を広げた長さが約70cmのMeganeura monyiというヨーロッパで発見されたものや、翅を広げた長さが約75cmのMeganeuropsis americaraというアメリカ合衆国で発見されたものです。現在知られている限りではMeganeuropsis americaraが史上最大の昆虫だそうです。
現在アメリカ合衆国で一番大きいトンボは、ハワイ固有のトンボAnax strenuusです。ギンヤンマの仲間です。ハワイ語ではピナオといいます。
トンボやイトトンボの仲間全体を称してOdonata(トンボ目) 、この名は、よく発達した強い顎を意味しています。ハエや蝶や蛾や他のトンボなどを空中で捕食します。毛がたくさん生えた6本の脚を籠のようにして獲物を捕まえます。
トンボのことを英語ではdragonfly、イトトンボのことをdamselflyと呼びます。ハエのことをflyと呼びますが、飛ぶ昆虫のこともflyといいます。トンボはドラゴン(dragon) 、イトトンボは高い身分の乙女(damsel)と表現されています。
ハワイには、ハワイ固有のものだけではなく、外来のものもいます。下の写真のイトトンボ(Megalagrion calliphya)は、ハワイ島とマウイ島とラーナイ島とモロカイ島の標高が高めのところに住んでいる固有種です。体長は40-47mmで、翅を広げると47-50mm(ハワイ島に住んでいる固体は小さめのものが多く、体長は33-36mm、開翅長40-44mm) です。
トンボやイトトンボの幼虫はヤゴと呼ばれ、成虫とは外見や生態が全く異なっています。ヤゴは水中に生息します。鰓があります。セミのように羽化して成虫になります。
ハワイ固有のイトトンボは、ヤゴが川などの水中や、川の辺の苔の中に生息する種もいますが、川などがない環境には、ヤゴが植物の葉と葉の間に溜まった雨水の中に生息する種や、森の中の雨水を沢山含んだ枯葉や苔の中に生息する種もいます。
下の写真は、上の写真のイトトンボのヤゴです。
このイトトンボのヤゴは、川などの水中に生息しますが、キーラウエア火山の雨林など、川がないような環境に住んでいるものは、森の中の、雨水が溜まったところなどに生息します。
Honolulu Advertizer.comの記事(02/07/05) "Experts strive to save native aquatic insects"
Damselflies are a Part of the Hawaiian Streamscape
コメント4件
Kumiko | 2008.11.18 1:37
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昆虫たちって面白いですね。昆虫のことについて知らないことばかりなのですが、奥が深そうですね。KOH16さんのブログを通して、多くのことが学べるし、色んな種が見えるので、とてもありがたいです。
ecozy | 2008.12.04 2:33
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[斜体]翅を広げた長さが約75cmの[/斜体]
うひぇ~ まさに ジュラシックパークですね!
Kumiko | 2008.12.04 4:03
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いったいどんなものを食べていたのだろうかって気になります。
KOH16 | 2008.11.17 19:29
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赤いイトトンボですね。
固有種が多いハワイと聞いても
大きなくくりだと日本でも似た姿の昆虫がいる。
というのが面白いです。
最大種というのもぱっと見たらギンヤンマとそっくりですし、
昆虫は一体どこから生まれてきたのだろうと
不思議になります。