自然保護
落書きは落書き
ハワイ島北西海岸のクィーン・カアフマヌ・ハイウェイは、大きく広がる海と雄大な山々の景色が続く道です。フアラーライ、マウナ・ロア、マウナ・ケア、コハラ、そしてマウイ島のハレアカラーが見えます。雨が少ない地帯なので、ヘイアウやキイ・ポーハク(ペトログリフ)など歴史的なものが多く残っているところでもあります。
この地域の海沿いの土地は、高級リゾート地としての開発が盛んなところです。
この地域で、もう1つ特徴的なのは・・・道の両側にある黒い溶岩台地に、海辺から拾ってきた白いサンゴのかけらを並べて書いた落書きが30キロぐらい続いていることです。
書いてあるものは名前が多くてフレンドリー、ペンキを使っているわけではないので、一見イメージ的にはエコっぽい。とても芸術的なものもあります。初めて見たとき、面白いな、私も書いてみたいななどと思ったこともありました。
古代から人間は、何か書いたり描けそうな表面があると、実際に何か書いたり描きたくなる習性があるようですが、経験や感動や知覚した事物を表現したい、記録を残したいと思うのは、頭脳が優れた人間という生き物の特徴のひとつなのでしょうね。壁画やペトログリフだって、そんな人間が残したものですし・・・
でも今は違う角度から溶岩台地の落書きを見る自分がいます。自然が創造した雄大な地形があり、あんなに美しい景色があり、あんなに歴史的なものが残っているところなのに、こんなに落書きだらけなのってもったいないなって思います。
世界遺産であるハワイ火山国立公園の大海原のような溶岩台地や、雲海の上にあるマウナ・ケアの溶岩や噴石で覆われた土地や、人が再び家を建てている島の南東部の溶岩台地などには、落書きをしないですよね。それは、その土地に対する敬意やそこに住んでいる人への敬意があるからであり、その美しく雄大な光景が損なわれるようなことはしたくないからでもあり、もし誰かが落書きをしたら、それを消そうとするでしょう。ハワイ島北西海岸のクィーン・カアフマヌ・ハイウェイ沿いだって、同じであるべきなのに・・・
島全体がパワースポットで、この土地が持つ偉大なるパワーを大地から感じ取ることができ、そして宙からも。島全体が、とてもとても特別な場所です。