植物
コアの木
鳥達の声と、風に揺らぐ木々の音しか聞こえない古い森の中で、この大きなコア(Acacia Koa)の木の幹を触りながら、森の話や木々の話をしていたら、バキバキ・ガサガサ・ドシンという音と共に、傾いていた大きな枝が折れて倒れました。一瞬のできごとでした。
折れて倒れてきた主枝は、随分大きく長いものでした。割れた部分を見てみると、何年も前に割れた部分は腐って脆くなっていました。生きた部分が重い枝を長い間支えていたのでしょう。でも、とうとうこの日限界が来てしまったようです。
新しく割れたところは、しっとりとしていて、白っぽく綺麗な色でした。樹皮のすぐ内側は鮮やかな赤でした。当たって皮が傷つけられたところも赤い部分が見えていました。まるで動物が怪我をして血で赤くなっているような感じでした。
この部分は師部(phloem)と呼ばれる、糖を豊富に含んだ樹液を輸送する生細胞から成る部分なのでしょうか。ハワイ固有の蝶、プレレフア(カメハメハ・バタフライ)は花の蜜だけでなく、コアの樹液も好きです。
先端の枝を見てみると、既に枯れているものもありました。その中には虫が住んでいました。生きた部分も枯れた部分も、しっかりと森の命を育んでいます。
2010-02-03 | Posted in 植物 | No Comments »
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