自然保護
ハカラウ・フォーレスト国立野生生物保護区
ハワイでは、サトウキビ・プランテーションや牧場経営などのために、多くの森林地帯がなくなってしまっていますが、残された森林地帯は、西洋人により移入された草食動物により、本来の姿を残しているところはほとんどない状態になっていました。特に下栄えの植物が動物たちによる食害を受けて減少しています。それに加え外来植物の侵入という問題もあります。 (「今もなお手付かずの自然が多く残るハワイ島」などと書かれた観光ガイドブックなどがあるかもしれませんが、それは事実から離れていると思います。他の島よりも面積が広い分、破壊されてしまった部分も他の島よりも広いのです。大いに人間の手助けが必要です。)
ハカラウ・フォーレスト国立野生生物保護区では、過去の牧場経営により破壊されてしまった広範囲に広がる土地の森林再生に努力を注いでいます。オーヒア・レフアよりも成長が早いコアの木を植えて、次に下栄えの植物を植えます。わずかに残っていたオーヒア・レフアなどの大木の下には、オーマオというハワイ島固有のツグミが餌とする実のなる植物が、オーマオに運ばれてきて芽生え茂ってきます。
2010年9月1日には、下院議員のメイシー・ヒロノ女史たちが、ヘリコプターでハカラウ・フォーレスト国立野生生物保護区に訪れ、ハワイ固有動植物の実態や保護・管理についての概要を体験を通して視察してくださいました。この2枚の写真の植物は、ヒロノ女史たちに見ていただいたハワイ固有植物の苗木です。2010年5月25日にヒロノ女史が「H.R. 5380: Hakalau Forest National Wildlife Refuge Expansion Act of 2010」という法案を提出してくれました。 この法案が可決され法令となれば、ハカラウ・フォーレスト国立野生生物保護区が拡大されます。
ハカラウ・フォーレスト国立野生生物保護区は1985年に設立されました。ハカラウ・フォーレスト・ユニットは32700エーカーで数年前までは12人のスタッフで、コナ・フォーレスト・ウニットは5300エーカーで2人のスタッフで管理されていましたが、現在のスタッフ数はハカラウ・フォーレスト・ユニットの7人だけだそうです。スタッフの数を増やすことが可能となりますように。
コメント2件
Kumiko | 2010.11.03 7:49
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ドライブしながら風景を見ている限り、一見自然が多いように見えますが、実は元々あった自然はとっくの昔に伐採されてしまっていて、今あるものは外来植物が生い茂ったところであるという場所が多いです。
訪れる人にも、現在の地元の人にでさえ、それが当たり前の風景、それがハワイの風景になってしまっていて、美しく不思議で魅力的で独特な本来のハワイの姿が失われ忘れられてしまっているのがとても悲しいです。たとえばプルメリアの花がハワイを代表する花かのように書物などに登場しますよね。外来種の動植物で覆われた場所を「ハワイ」と呼んでいる現在です。:-(
ハカラウ・フォーレスト国立野生生物保護区はマウナエアの東側に面した中腹にあります。
みゆ吉 | 2010.11.03 6:47
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なかなか旅行者には分からない部分のお話ですね。
ぜひ法案が可決され、森林の再生が進むことを願います。
ところで、ハカラウ・フォーレスト国立野生生物保護区はどこにあるのですか?