植物

ビロウドモウズイカについて

mullein

ビロウドモウズイカ(Verbascum thapsus)はヨーロッパ、北アフリカ、アジア原産の帰化植物です。英語の俗名はマレインです。ゴマノハグサ科の二年草の植物で、ロゼット状に配列した葉にはビロードのような毛があり、その中央から茎が伸びて、背が1?2mと高くなり、黄色い花をつけます。茎が複数ある場合もあります。
1932以前にハワイ島フアラーライ山に繁殖し始め、現在では、マウナ・ロア山やマウナ・ケア山の標高1200?3300mの乾燥地帯にも繁殖しています。マウナ・ケア山では、1940年代に繁殖し始めたそうです。
マウイ島では1986年にハレアカラー国立公園にも生え始めまたそうです。除草作業を行い、繁殖しないように努力しています。
マウナ・ケア山やマウナ・ロア山での繁殖を調査してみたところ、特に標高が高いところでは、道路の近くに多くみられることから、車(タイヤに付いた土と共に種が運ばれる)が種を遠くへ運んでいるようです。
ハワイ島では、過去70数年で、広範囲に繁殖してしまいました。繁殖力が高く、特に火山暦や火山灰のようなところを好むので、マウナ・ケア山での繁殖が進む一方で、その範囲が著しく広がっていっています。マウナ・ロア山の溶岩大地にはあまり繁殖しませんが、火山礫が多いところには増えています。
ハワイ固有の高山植物、特にアーヒナヒナ(ギンケンソウ)を守るためにも、なんとかしないといけないのです。1984?1986年にはハワイ大学のボランティア学生たちが、標高3000?3300mの間で、道路の近くに生えていたビロウドモウズイカを5000固体以上抜き取ったそうです。でも、除草活動後10年以上経った今、道路の脇にも、道路から離れたところにも、たくさん増えています。
ちなみに、ホザキモウズイカ(Verbascum virgatum)も繁殖していますが、ビロウドモウズイカに比べると、繁殖範囲が狭いです。この種は西ヨーロッパ原産で、ハワイでは1943年ごろから栽培されるようになり、1981年には帰化種となっています。


このブログは、ハワイ島でエコツアーを案内するHAWAII NATURE EXPLORERSの環境保護への取り組みのひとつです。緑豊かなヒロよりアロハをこめて発信しています。

2007-01-28 | Posted in 植物2 Comments » 

コメント2件

 mama | 2007.02.14 16:35

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はじめまして!
このビロウドモウズイカは、見つけた場合除去していいのでしょうか?!

 Kumiko | 2007.02.14 17:05

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見つけた場所にもよると思います。もし私有地なのであれば、その土地のオーナーに話をするべきでしょうね。また、公共の土地であっても、周りの人に勘違いをされるのもよくないですよね。この植物について知らない人が、誰かがこの植物を抜いているところを見ると、悪いことをしていると思ってしまう可能性もありますよね。なので、私は誤解を招かないように注意しています。また、場所によっては許可を得て行っていますよ。

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