自然保護
光害を最小限に保つための対策
ハワイ島の街灯は、光害を少なくするために、低圧ナトリウムランプ(Low-pressure Sodium Lamp)を使用していますが、partially shieldedのものです。
夜空をなるべく暗くするためには、街灯の光が空を直接照らしつけないように上部の笠の形状が工夫されたものを使用します。partially shieldedの街灯はunshieldedの街灯よりは良いのですが、partially shieldedのものだと、光が斜め上に漏れてしまうので、水平より下だけを照らすfully shieldedのものを使用することが理想的です。
現在、ハワイ島で使用されている低圧ナトリウムランプは、光が斜め上に漏れてしまっているという問題以外に、肉眼にとっての眩しさの問題もあります。この眩しさのことをグレア(glare)とも呼びます。
Illuminating Engineering Society of North America (IESNA)による、グレアを少なくするために工夫された街灯の基準では、full cutoff, cutoff、semicutoff、noncutoffというタイプに分類されます。full cutoffの街灯はfully shieldedの街灯のように水平より下だけを照らすだけでなく、グレアが80度から90度の角度以下にカットされています。 夜空を極力暗く保つためにも、ドライバーにとっても、full cutoffのものが理想的ですし、節電にも大いに貢献できます。
ヒロやワイメアの街には、full cut-offの街灯が設置されているところがあります。暗くなってから街灯がともると、partially shieldedのものとfull cutoffのものとの差がはっきりと分かります。
マウイ島では、2007年1月に街灯の基準法が定められて、fully shieldedの街灯が使用されることになりました。10年内にほとんどの街灯が取り替えられるそうです。
Lighting Research Centerによるfull cutoffとfully shieldedの違いについての説明
“Full Cutoff Lighting: The Benifits” by Douglass Paulin
追記(2011年): 低圧ナトリウム灯よりも、長寿命であり、電力の消費が少ないLEDライトが最適だとされました。黄色いLEDライトは、低圧ナトリウム灯に比べて、周りの物の色が本来の色に近い色に見えるということも利点のひとつです。低圧ナトリウム灯のオレンジ色は、信号の黄色とそっくりで紛らわしいのですが、黄色いLEDライトの色は明らかに信号の色と異なります。ドライバーにとっても眩しくありません。 ヒロのスイサンの近くの交差点に設置されています。