ハワイの文化

ココヤシについて (その2)

coconut husking

ココヤシの実を割っている様子です。厚い繊維質の層で覆われた実なので、何度何度も実の片方を力強く岩にぶつけて、繊維がほぐれてきたら、次は反対側を何度も何度もぶつけます。そして、手で繊維をむしり取るように取り除いていきます。中から硬い殻がでてきます。これがココヤシの種子です。桃の実だと、美味しい部分がココヤシの繊維質のところにあたり、桃の種のところが、ココヤシの硬い殻の部分です。世界一大きな種子ではないでしょうか。中に液体が入っています。これがココナッツ・ジュースやココナッツ・ウォーターと呼ばれるものです。未熟実の液状胚乳です。種子の発芽のための養分を蓄えた部分です。硬い殻を石でコツンコツンとたたいて割り、中のジュースを飲みます。
この果汁には、カリウム(potassium)、リン(phosphorus)、マグネシウム(magnesium)、鉄分(iron)、ナトリウム(sodium)などミネラルが豊富に含まれているそうです。マンガン(manganese)、銅(copper)、亜鉛(zinc)、ヨウ素(iodine)、セレン(selenium)、ビタミンE(vitamin E)、ビタミンB(vitamin B)も含まれているそうです。
昔のハワイでは、ニウ(ココヤシのハワイ語名)は戦争の神「クー」の体であり、ニウを植えるのは男性の仕事で、ニウの木や実は、一部の例外を省くと全て男性のものとされていたそうです。ニウ・ヒヴァという(濃い緑の実で、成熟した実の殻が黒くなるタイプ)は、儀式のときや、薬としても用いられたもので、女性には前面禁止されていたそうです。ニウ・レロ(赤みをおびた黄色い実で、成熟した実の殻が黄色いタイプ)も女性が食べることが禁止されていたそうです。社会的に厳しく禁止される行為のことをタブー(taboo)といいますが、これはポリネシア語から来ています。 ハワイ語ではカプ(kapu)です。
ニウのことを、Nana VearyさんのおじいさんはHe punawai kau ika lewa (A fountain of water hanging from the air.)と表現したそうです。(Nana VearyさんのChange We Mustという本に書いてありました。) 「宙にぶら下がった湧き水」、この表現は、ぴったりだと思います。
ココヤシについて 
その1(寿命、利用価値、実や葉を落とす作業など)
その3(名前の由来、発芽孔についてなど)
その4(食用の実について)
その5(花と実について)

2008-10-18 | Posted in ハワイの文化2 Comments » 

コメント2件

 Lilikoi | 2008.10.19 8:56

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椰子のみ、たたきつけて!
割れたところ、見てみたいです(#^.^#)
カウアイのボビーはガードレールを使って
割ってくれました(爆)
昔はガードレールなかったですもんね(笑)
茶色の実!緑の実!どちらもいただきました♪
私は緑の実の果肉は気に入りました(^^♪
女性は食べられなかったのですね・・・
儀式等、決まりがたくさんあって・・・
日本も昔は・・・
男性は!女性は!
最近はあまり言われなくなりましたが!
そのお蔭で生活しやすくなった部分もありますが、
私は男性は男性らしく!
女性は女性らしく!
残っていて欲しいと思います(^^♪
kumikoさんのブログ!とっても勉強になります。
ありがとうございま~す(#^.^#)

 Kumiko | 2008.10.19 9:10

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男性と女性の社会的な立場は、ずいぶん昔に比べると変わってきましたよね。Lilikoiさんがおっしゃるように、そのお陰で生活しやすくなった部分がありますね。私は、そのお陰で、もっと自分らしく生きることができています。
でも、男性と女性は、肉体的に違いますから、今までと変わらない部分があっても当然なのでしょうね。

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