海洋生物

ホヌについて

Honu on The Big Island

南東ハワイ諸島を餌場として住んでいるアオウミガメたちは、ほとんどが北西ハワイ諸島のイースター島を含むフレンチ・フリゲート諸島で交尾(海で)産卵(砂浜で)します。約25年で性的成熟を迎えます。 産卵期は通常5月から8月で、雌は2?3年置きに、雄は1?2年置きに、生まれ故郷にもどり交尾・産卵します。
1800年代には、フレンチ・フリゲート諸島の島々では、足の踏みどころがないぐらい沢山のアオウミガメが砂浜に上がってきていたそうですが、アオウミガメの肉を食用するために1959年ごろまで乱獲が続いたそうです。1960年代にフレンチ・フリゲート諸島でのパトロールが始まり、繁殖場所での捕獲にストップがかかりました。
しかし、南東ハワイ諸島での乱獲は続きました。ハワイ語でアオウミガメのことをホヌと呼びます。西洋人たちがハワイ諸島に来るようになるまでは、王家の人たちや酋長たちがホヌを食べていたようです。ホヌをアウマクア(守護神・先祖の生まれ変わり)として崇めていた家族もあります。(現在でもです。)そのような人たちはホヌを食べませんでした。新しくハワイに移住してきた人たちや、訪問者たちは、そのような風習には無関心でした。ハワイの観光業が盛んになると、ホヌの肉の需要が急激に増えるようになり乱獲が続きました。
個体数の減少がひどくなり、継続すると絶滅に繋がることが明確と判断され、1974年に商業的なホヌの捕獲は禁止されました。1978年には、ハワイのアオウミガメ、ホヌはUnited States Endangered Species Actの絶滅危惧種threatened)と指定されました。
ホヌは繁殖期以外は南東ハワイ諸島で過ごしますが、1980年中ごろまでは、ホヌが好きな海草は浅瀬にあるのにもかかわらず、日中海岸近くで海藻を食べているホヌ見かけることはまれで(日中でも人気の少ないところは例外)、人気の少ない夜に浅瀬にきていたそうです。しかし、現在は若いホヌたちが昼も夜も関係なく海岸近くの浅瀬で海藻を食べています。以前は砂浜で甲羅干しをするのはフレンチ・フリゲート諸島だけだったそうなのですが、現在は人がよく来るような場所でも甲羅干しをするようになっています。
現在ホヌにとってよくないのは、フィブロパピロマ(fibropapilloma)という病気です。目の周りや、首、ひれ、口、内臓などに腫瘍ができ、目が見えなくなったり、食べることができなくなったり、泳げなくなったりして、死んでしまいます。性的成熟に達するまでに死んでしまう場合もあります。ハワイだけでなく、世界中の海でアオウミガメたちが減少しています。公害が原因のようです。
National Wildlife, June-July, 1999 "The Return of KAUILA"

 

2009-06-15 | Posted in 海洋生物No Comments » 
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