自然保護
トレイル管理
フランクリン・D・ルーズベルト大統領(Franklin Delano Roosevelt, 1882–1945)はアメリカ合衆国の第32代大統領。大恐慌や第2次世界大戦など世界的に困難な時期に、1933年から1945年まで4期連続12年間務めた大統領です。39歳のとき(1921年)にポリオ(急性灰白髄炎)かギラン・バレー症候群で下半身麻痺になり、車椅子を使う日常生活を送った大統領でもあります。
1932年後半からフランクリン・D・ルーズベルトが大統領に赴任した1933年の春にかけては大恐慌のピークで、失業者は1200万人、失業率は25%にも達したそうです。失業者のために市民保全部隊(Civilian Conservation Corps, CCC)というプログラムが組織されました。18歳から24歳までの若い男性を対象としたもので、国立公園などの維持管理や土壌浸食防止・森林再生など様々な環境保全プロジェクトに携わりました。1933年から1942年の間に計300万人ほどの若者がCCCに参加したそうで、この間30億本もの木が植えられ、800もの公園が設立されたそうです。アラスカ、ハワイ、プエルトリコ、USバージンアイランドでも活動しました。 (当時アラスカもハワイもアメリカ合衆国の自治領である準州でした。1959年1月3日にアラスカは49番目の州に、同年8月21日にハワイは50番目の州になりました。グアムは現在でもアメリカ合衆国の準州です。)
ハワイ島ではハワイ火山国立公園やその他の公園や森林で、公共施設やハイキング・トレイルなどCCCが手がけてくれたものが現在でも多くの残っていて、現在でも利用されています。
2010年に入ってからハワイ火山国立公園のキーラウエア・イキ・トレイルが整備されています。これまでにも、ちょこちょこと整備されたそうですが、今回は結構大掛かりな作業が行われています。
まずは、土壌が流されて木々が少なくなったところを、人が歩き、ひどくなった状態のところに、国立公園が栽培した、ここにあるべき植物を植えました。
トレイルの何箇所かは、下にあるゴツゴツとした溶岩や木の根がむき出しになり、歩きにくくなっているところがありました。歩きやすくするために、場所によっては砂利を入れたり、階段を作ったりします。
砂利や土壌を流されにくくするために、このような木をトレイルに埋め込みます。この木はオーヒア・レフアです。国立公園内の森林の木は切り倒すことができませんし、自然に倒れたものも、そこの自然の一部なので利用することができません。今回のトレール整備に利用している木は、ハワイ島の南東部オーシャンヴューから取り寄せたものだそうです。このような車で引っ張って行きます。
適切な長さに切って、このように並べます。そこに砂利を入れます。砂利は国立公園内の採石場で砕石したものです。溶岩を砕いたものです。
砂利はバケツに入れて、やはりATVで運びます。これはバックでトレイルを下っているところ。ジグザグに下っていくトレイルなのですが、角で曲がれないところがあるようです。次の角から先は前向きにドライブしていました。
このトレイルの脇に白い札がありますが、そこは植生再生のために植物を植えたところでRevegetation in Progressと書いてあります。
少し急な坂になっているところは階段を造ります。古くなっていたところを造り直しているところです。利用している岩も溶岩。
この人は国立公園のスタッフ。でもスタッフでない人もこの整備活動に携わっています。臨時で雇われている人たちなのかな。