自然保護
オアフ島のオパラ(ゴミ)
ホノルル市郡にハワイ州全人口の約80%が住んでいます。それに加えて観光客(年間400万人ほど?、平均1日に8万人が滞在している?)。1年に160万トンものゴミが出るそうです。約3分の1はホノルルの廃棄物発電所”H-Power”で処理され、”H-Power”で出る灰と、その他のゴミは2012年に閉鎖されると言われているワイマナロ峡谷にある埋立処分場 “Waimanalo Gulch Landfill” で処理されているそうです。どちらもキャパシティが一杯なので、”H-Power”にもうひとつボイラーが建設されるまでの3年間、ホノルルのゴミが、ホノルル市郡政府と契約を結んだHawaiian Waste Systems, LLC(シアトルを本拠地とした会社)により、約半年前からワシントン州クリキタット郡(Klickitat County)のコロンビア川(Columbia River)の近くにある埋立処分場”Roosevelt Regional Landfill“に運ばれることになっていました。 年間15万トンをワシントン州に送るという計画だったそうです。
ところが、ワシントン州のアメリカ先住民部族のひとつであるヤカマ部族(Yakama Nation)と、Friends of the Columbia Gorge、Columbia Riverkeeper、Northwest Environmental Defense Center が、ハワイから運ばれてくるゴミとともに、アメリカ北西部の自然環境に害を及ぼす虫や植物が侵入する恐れがあると、この計画に猛反対をして訴訟を起こしました。
現在2万トンものゴミが圧縮梱包された状態でKapolei Industrial Parkに置いてある状態です。8月28日のニュースによると、結局ホノルルの廃棄物発電所”H-Power”と、ワイマナロにある埋立処分場”Waimanalo Gulch Landfill”で処分されることになります。全てを処分するのに5ヶ月ほどかかると予測されているようです。どちらの施設もすでにキャパシティーが一杯だと言われています。
“H-Power”のボイラーを増やすにも時間がかかるし、新たに埋立処理場が設けられる場所を探すのにも時間がかかるでしょう。NIMBY ”Not In My Back Yard“、(ニンビー: 自分の裏庭にはあってほしくない)問題です。
しばしば「楽園」と称されるハワイでのゴミの問題は深刻です。 ゴミを他の州に輸送して処理してもらうというのは、ビジネス的な決断だったのでしょうが、我が家のゴミをよその家に持っていくような、道徳的に考えると違和感があります。
ホノルル市郡長のムーフィー・ハネマン氏は州知事選挙に立候補するために、7月に任期を後2年残して辞任されました。(市長の任期は4年)How can we make state government work more efficiently?という質問に対して、Putting it simply: run it like a business.と答えるハネマン氏。多くの人々の支持を得ている立候補者なのですが、どのようなビジネスを見本に考えていらっしゃるのでしょうか。 良心的で、環境にやさしく、身勝手な欲のないビジネスでありますように。州知事となってゴミ問題を改善してくださいますように。(普段はオアフ島で起きていることは、まるでよそ事のように聞いていたのですが、今回このゴミの問題について考えながら、連鎖的に色んなことを考えてしまいました。そしてハネマン氏は州知事の立候補者であるので・・・)
ホノルル市郡はゴミに関して色々と深刻な問題をかかえていますが、その分、色んな努力も行われているようです。ホノルル市郡の Department of Environmentalno Services のopala.org はとても参考になるサイトです。ビデオを観ながら、色んなことを知ることができます。
ホノルル市郡(オアフ島)に比べると、ハワイ郡(ハワイ島)は広い土地があり、まだまだ人口が少なめですから、ゴミの問題はそこまで深刻ではありません。でもその分、ゴミに関して無頓着なところがあるかもしれません。今回、このブログ記事を書くにあたり、色々と考えさせられました。 自分の身の回りのことで、もっともっと出来る限りの努力をしないといけないなと反省しました。
ゴミに関係のない余談ですが、アメリカ北西部の先住民部族とハワイの先住民の関わりについて、以下のビデオを見て知りました。