宇宙
2012年: マウナ・ケアで観察した金星の日面経過
地球から見て、金星が太陽の前面を横切る現象「日面経過」または「太陽面通過」を、ハワイでは2012年6月5日に見ることができました。
次回は105年後である2117年だということなので、私の一生のうちに見ることができるのは今回だけというわけで、とても楽しみにしていました。
上の写真は、国立天文台よりいただいた長い一続きの日食めがねや「日面経過」について書かれたものや、ハワイ火山国立公園のギフトショップで買った日食めがねです。色んな観察方法があるようですが、とりあえず私は日食めがねだけでいいかなって軽い気持ちでいました。
どのように観察できたかというと・・・白く丸いものは太陽像が投影されたもので、その片隅にほくろのような黒い点が見えます。これは金星のシルエットです。ちょうどお昼休みの時間に「日面経過」を見ることができたのでラッキーでした。
この日、すばる望遠鏡山頂施設を見学しに来たグループのひとつは、ドイツから来たマニアックなアマチュア・アストロマーたちでした。みんな望遠鏡やら双眼鏡やらカメラやら色んなものを持ってきていて、施設見学後に、ドームから少し離れたところで観察をしていました。私と同僚は、まずはランチをさっと済ませて、「日面経過」が始まる直前に屋外に出て、彼らのところへと行きました。
見てみる?覗いてみる?もっと見なさい、もっと見なさいと、勧めてくれたので、金星が太陽面に接触し始める段階から、
色んな段階を見ることができたので感動しました。望遠鏡や双眼鏡でみると、予想していたよりも意外と金星のシルエットが大きく見えたので、これまた感動が大きかったです。持参していた日食めがねだと、あまりにも小さすぎて、よく見えませんでした。
そろそろお昼休みの時間が終わりに近づいてきたので、施設に戻り始めました。仕事が始まる前に、すばる望遠鏡のスタッフが設置していた望遠鏡はどのようになっているのか見てみました。そのときに、上で紹介させていただいた、太陽像の投影
この望遠鏡にはカメラが設置してあり、またコンピュータにも接続してありました。たしか金星の大気を調べるのが目的のひとつだと言っていました。フランス人チームよる観測でした。
その望遠鏡の側の車の中の様子です。黒い丸は金星、左斜め上に太陽の淵が見えています。これで私のお昼休みは時間切れとなりました。
午後の仕事が終わってから、もう一度外に出て観察をしました。そのときに太陽像の投影を見せてもらったというわけです。
別のアメリカ人スタッフは黒いプラスチックの板をカメラに貼り付けて写真を撮っていました。
実は私も同じ黒いプラスチックの板を国立天文台からいただいていたので、テープで貼る時間はありませんでしたが、カメラの前に手で固定させて写真を撮ることにしました。
自分のカメラを使いこなしていない私は、近くにいらっしゃったすばる望遠鏡のスタッフのひとりである田澤さんに手伝ってもらいました。というか何枚か撮ってもらいました。その結果が以下の写真です。
写真で捕らえることができたこと、それから見てみたいと強く思っていた現象を見ることができたこと、感動の1日でした。
特に見たいと思っていたのは、「ブラック・ドロップ」という現象です。金星のシルエットのほぼ全体が太陽面に入り、太陽の縁から離れようとするときに、黒い滴のように見えるというものです。念願かなって私はその瞬間を見ることができました!
コメント2件
Kumiko | 2012.06.18 1:20
SECRET: 0
PASS: b4dee3df511b5ce2d6630c4d13a9beae
金環日食ごらんになれたんですか、よかったですね!私はまだ見たことがないんです。ハワイでは部分日食だったのですが、我が家の上空は曇っていました・・・
Akemi | 2012.06.17 20:48
SECRET: 0
PASS: a5b05bb2fb586ebf1c65fa4d8f77010d
久美子さん、
お久しぶりです。すごいですね~。
東京はあいにくの曇り空で、楽しみにしていた”日面通過”も”部分月食”も見ることができませんでした。でも、”金環日食”は見ることができましたよっ!感動的でした!