自然保護

絶滅危機種・絶滅危惧種にとっても、人間にとっても、かけがえの無いハワイ島の自然環境

Map by USFWS/ Rod Low and Susan Machida絶滅危機種・絶滅危惧種と指定されているハワイ固有の植物たちのために、環境を保護すべき場所を示したハワイ島の地図です。かけがえの無い自然環境です。個体数が50以下に減少してしまっている種が何十種もあるのです。ハワイ固有の森の鳥たちが残っているところは、とても狭い範囲なのです。
ハワイ島は、様々な雑誌やTV番組やガイドブックやウエブサイトで、「未だ手付かずの自然が残っている」「手付かずの自然が多く残っている」「手付かずの自然を満喫できる」「手付かずの自然が豊富に残る」「手付かずの自然がたっぷりと残っている」「手付かずの自然がほとんどで」などと紹介されているようです。
現実はどうなのでしょうか・・・
他の島々よりも大きな島なので、その分自然が多く残っていると思いがちになるのでしょうか。人口が少なく人口的な構造物が少ないとはいえ、実は、もともとあった森林が伐採され、広大な牧場やサトウキビ畑が広がり、産業が下火になり放置された場所は、外来種の植物が生えた2次的な森であったりします。一見自然のように見えるところも、原生林ではなく、二次的な自然林が圧倒的に多いです。
残された自然環境は人間の手助けがないと、移入種の哺乳類や昆虫や繁殖力が旺盛な帰化植物によって容易く被害を受けてしまうのです。手付かずの生態系はほんのわずかにしか残っていないのです。
国立公園や国立野生生物保護区や自然保護団体などが、時間や動力と莫大な費用を費やして、本来の自然環境が残っているところを守り、また可能な限り本来の自然環境に戻すための絶え間ない努力をしています。
Map by USFWS/ Rod Low and Susan Machida文化的・歴史的な遺産などについても同じです。雨量の多い地方では、文化的・歴史的なものは、あっという間に植物で覆われてしまっていますが、雨量が少ない地方では、住居跡やヘイアウ(神殿)跡、お墓、ペトログリフなどがあちこちに残っています。ですが、国立公園や州立公園となり保存や復元されているところは別として、私有地では、破壊されなかったとしても、リゾート開発により数メートル側にホテルやコンドミニアムなどが立ち並んでいて、まるで残さないといけないから残しましたというような残し方のようなところもあります。
またハイウェイに沿った溶岩台地には、何キロにもわたり、海辺から持ってきた白いサンゴで書いた落書きだらけです。アイナ(土地)にたいする深い敬意が払われていないのがとても悲しいですね。 このような状態でよいのでしょうか。

2006-09-21 | Posted in 自然保護No Comments » 
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