思考

森の中で

new growth

 今日はひとりでキーラウエア火山の雨林に足を踏み入れました。誰一人いない森の中で、聞こえてきたのはハワイ固有の鳥たちの美しいさえずりだけ。
古く大きなオーヒア・レフアの枝と葉が樹冠を作り、その下には、巨大なシダもあれば小さな小さなシダもあり、アジサイの仲間、ミントの仲間、ヒイラギの仲間、ツツジの仲間、アフリカスミレの仲間、ユリの仲間、ロベリアの仲間など多種多様の植物が生えていました。倒れて枯れてしまった巨大な木生シダの上には、若いシダやオーヒア・レフアなどが芽生えていました。古い木が枯れた後も、次の世代の木が育っている健康な雨林です。
この雨林は、野ブタ(イノシシ)が入ってこないようにフェンスで取り囲んでいる森で、外来種のジンジャーが増えないように保護活動が繰り返されている森でもあります。
何年かにわたり、何度もジンジャーを抜いたり枯らしたりした場所ではありますが、新しく芽生えてきたジンジャーがあちこちにありました。いつまでも、この雨林が残るように祈りながら、1本1本ジンジャーを抜きながら歩きました。
水分をたっぷりと含んだ落ち葉の上にそっと足を下ろしながら進んでいくと、すぐ側の木の枝に、まだ産毛が残っている幼鳥が、ちょこんととまっていました。アパパネ(アカミツスイ)の巣立ったばかりの幼鳥でした。
自然と一体になって、新鮮な空気をいっぱい吸って、心休まる1時間でした。


このブログは、ハワイ島でエコツアーを案内するHAWAII NATURE EXPLORERSの環境保護への取り組みのひとつです。緑豊かなヒロよりアロハをこめて発信しています。

2007-01-21 | Posted in 思考2 Comments » 

コメント2件

 Terumi | 2007.01.22 11:22

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久美子さんのブログは、私の知らない世界が広がっていて、とても分かりやすく興味深いです。ところで、ジンジャーが増えると他の植物はどのようになってしまうのですか。

 Kumiko | 2007.01.22 11:37

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私が歩いた雨林に増えているジンジャーは、カヒリ・ジンジャーと一般的に呼ばれている綺麗な黄色い花を咲かせるショウガ科の植物です。ネパール産の植物で、観賞用としてハワイに持ち込まれたものです。
本来ならば、もともと植物を食べる哺乳類がいなかったハワイの雨林では、多大きな木の合間の木陰に種多様の植物が、たくさん生えているはずなんです。ところが、ジンジャーが増えてくると、びっしりと根を張り、大きな木の間がジンジャーだらけになってしまうんです。そうすると本来生えているべき植物が生える場所が無くなってしまうのです。それから、古くなったオヒア・レフアは、いっせいに枯れることもあるのですが、本来なら、また新しいオヒア・レフアが生えてくるはずです。ですが、ジンジャーがぎっしりと生えていると、オヒア・レフアも他の植物も生えてくることができません。ジンジャーは、繁殖力が大勢なのでよくないんです。
ハワイでも、固有の鳥たちの鳴き声がたくさん聞こえてくる森っていうのは、そんなにたくさん残っているわけではないのですよ。限られた場所だけなんです。私が住んでいるヒロでは、色んな鳥の声が聞こえてきますが、全て外来種の鳥ばかりなんですよ。綺麗な鳴き声のもいますが、ハワイ固有の森の鳥たちとは比べ物にならないです。
外来種の鳥が持ってきた鳥の病気に免疫がないハワイの鳥たちは、蚊が住んでいるところには住めないんです。また標高が低いところは開発されていて、ハワイの鳥たちの住む環境が無くなってしまっているというのも問題のひとつなんですよ。

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