自然観察旅行

Hawaii紀行・ボルケーノツアー

<<とてもチャーミングなフリーアナウンサー、佐藤由美さんの「Hawaii紀行・ボルケーノツアー」>>
なんとも形容しがたい悪夢にうなされて目が覚めた。>>>そろそろ朝かなあ・・・ 木製のブラインドっぽい窓の隙間からチラリと差し込む朝の気配・・・ カパッと開けてみたら・・・・・ 「わぁ~っ!」思わず叫び声が上がってしまうほどの見事な虹! ハレマウマウ火口からマウナ・ロアにむかって大きな虹がかかっている。ぐぅ~すか寝ている連れを叩き起こし、パーカーを羽織って転がるように外へ出た!
すごい、でかい、美しい・・・・ 残念ながらデジカメ画像では伝わりきらないであろう、壮大な、圧倒的な、我が存在を忘れてしまうような素晴らしい景色がそこにあった。
それは昨日から降り続いた雨が俄かにあがったわずか30分間だけのペレからの贈り物だったように思う。このあとボルケーノ上空にはまた雨雲が張り出し、虹が消え雨が降り出した。
悪夢にうなされなかったら私もきっとまだぐぅ~すか寝ていたはずで、そしたら、一生に一度見られるかどうかの“美しきもの”を見逃していたにちがいない。今回の旅はどうやら『だいぶ良い』らしい。
午前9:30 ハワイイ在住の友人に紹介してもらった現地のベテランガイドのくみこさんと待ち合わせる。私とほぼ同年代、ハワイイ在住約20年、とても明るくてパワフルでキュート。でもそれだけではなく、機微や自然界を含めてのさまざまな痛みなどをしっかりと感じている人・・・そんな印象を受けた。植生・地形・歴史・文化・・・果ては星の話まで、とても造詣が深く、その知識と彼女の発するリズミカルな言葉にすっかり惚れてしまった。とかく日本人の旅行は慌しくなりがちだが、もしハワイ島をゆっくり旅する機会があったらぜひぜひ、彼女にガイドしてもらうことをオススメする。
ここでは“地球は生きているんだ”ということを強く強く感じる。真っ赤な溶岩が海に流れ込み今なお新しい大地がつくられている。真っ黒な荒涼たる溶岩大地のところどころにはたくましく育とうとしている植物が息づいている。海岸では溶岩が波に砕かれ黒い砂浜となり、また陸ではところどころに生えた植物がやがてブッシュになり森がつくられてゆく様を見ることができる。これまではただ漠然とながめていた溶岩大地も、実はその時々の状況によってさまざまな表情があることがよくわかった。
溶岩大地・・・『オヒアの木に咲くレフアの花』木と花とで別の名前がついているハワイ島の固有種。・・・こんな伝説がある。
ペレはハンサムな若者オヒアに一目ぼれした。しかしオヒアには愛する恋人レフアがおり、ペレに振り向かなかったため、怒ったペレはオヒアを木に変えてしまった。嘆き悲しむレフアを他の神様が気の毒に思い赤い花にしてオヒアの木に咲かせるようにした。だからハワイアン達はレフアの花を摘まないという。ようやく結ばれた二人をまた引き離してしまうとオヒアとレフアが悲しんで雨を降らせるそうだ。しかしながらペレを描いた絵の多くではペレの頭にレフアのレイが描かれている。恋敵といえども美しいからなのか、それともここでもまた引き離したかったのか、、、そのあたりはどうなんでしょーね。
『ラバーチューブ』溶岩が流れ出た穴。観光用のコースをちょこっと外れたところに、照明もなく、いっさい光が差し込まない洞窟がある。懐中電灯を消すと・・・目は開けているのに真っ暗闇。ここには目が退化した真っ白なコオロギがいるらしい。ちょっとした神秘体験!・・・帰り道、やっと小さな明かりが見えてきた。
この日のクライマックスは夜の溶岩大地トレッキング。なんでも陥没の恐れがあるらしく溶岩流のそばまでは行くことができなかったが、暗闇の中、?々と流れる溶岩と、それが海に流れ込む様を目視できるところまでは行くことができた。この日は天候が不安定でこの時も上空には雲がかかっていたが溶岩大地の上で夕飯のサンドイッチを頬張っていたら次第に雲が晴れてきてものすごい星空が広がった。
くみこさんが『ホクレア』を教えてくれた。ハワイ語で“喜びの星”“幸せの星”という意味があるそうだ。牛飼い座の一等星。その昔ハワイ原住民・ポリネシア人がタヒチからハワイへカヌーで渡るときにこの星を目指して航海したと言われている。 敬愛するビッグウェーバーEddie Aikauとホクレア号のお話
帰りがけ、溶岩大地の隙間に落ちてオチをつけたあたりはいたって私らしいが、なんとも壮大で美しい一日であった。
****ワンポイント・アドバイス****
キラウエア火山は標高1200mほど。朝晩はかなり冷え込む。また天候が変わりやすく雨もよく降るので、様々な天候に対処できる服装を用意しましょう。帽子+Tシャツ+フリースやシャツ+カッパもしくは防水のウインドウブレーカー(フード付き)+長いズボン+スニーカーで完璧! トレッキングする際にはお水もしっかりと用意して。ちょっと重いけど一人1Lくらいあったほうがいい。またトイレのある場所も少ないので「あったら行く」方がいいかも。
この「Hawaii紀行・ボルケーノツアー」は、佐藤由美さんのブログからの抜書きです。http://yumi0807.exblog.jp/2354517

2005-09-28 | Posted in 自然観察旅行Comments Closed