ネイチャーツアーとエコツアーの違い

パイオニア植物の観察

 

 

 

 

 

ハワイではエコツアーは反主流派でマイナーな存在です。

ハワイ島では、キラウエア火山の観光、スノーケリング、乗馬、星空を楽しんだりするツアー、ハイキングツアーなど、自然を楽しむツアーが沢山あります。これらをリゾート観光に付属したネイチャーツアーと呼べるでしょう。

エコツアーは、ネイチャーツアーのように自然を見て楽しむという娯楽を目的とするだけでなく、そこに生きる動植物の生態や、人と自然の関わりや、現地の人々の生活や文化についてなど、できるだけ多くのことを体験して学び、保護や保全への関心を高めます。目的地を遊び場扱いするのではなく、現地の自然や文化や人々に対する配慮と尊敬の気持ちを持って接します。

エコツアーに参加して、心に植えつけられた種が、帰国後に芽生え成長し、増えていくことを願います。また地元の人々の自然や文化への関心を高め、保全活動に協力しようという地元の人々の意識を高めるきっかけにも繋がることを願います。環境への影響は最小限にとどめて、自然環境保護のために貢献し、地元の人々にも利益が回るように努力します。これらは全てエコツーリズムの方針です。

現在ハワイでは、観光名所を巡って、お土産を買って帰国するといった大型団体ツアーは少なくなっていて、少人数のツアーやレンタカーで行動する観光客が増えていますが、マスツーリズムを主産業としているという事実は変わっていません。マスツーリズムとは大衆化・大量化・システム化した観光のありかたです。

エコツアーは大量生産することができません。大量生産すべきでないし、そうしようとすると質が疎かになってしまうどころか、保護しようとしているものが台無しになってしまいます。量より質、そして何よりも守ろう意識を優先しなければなりません。エコツーリズムを利益拡大のために乱用すると、マスツーリズムよりも大きな被害を招くことになります。

自然環境の保護だけでなく、現地住民のライフスタイルへの配慮のあるエコツーリズムは、サステイナブル・ツーリズムアーやリスポンシブルツーリズムのありかたのひとつです。

お勧めのサイト: 「エコツーリズムと持続可能な観光