ハワイの文化
アヴァ (‘Awa)
アヴァ(‘Awa)とは、コショウ科コショウ属のPiper methysticumのハワイ語名です。学名Piperはラテン語でコショウを意味していて、methysticumはギリシャ語で酔わせるという意味。一般的にはカヴァ(Kava)として知られています。
アヴァはポリネシア人がハワイに持ち込んだ植物の1つです。葉はハート形で10?20cmぐらい、1?3mぐらいまで成長します。古くから薬草としてや、儀式の時に用いられました。根を使用します。昔は乾燥させた根を噛んでいたそうですが、次第に乾燥させたねを潰して、水を加えて、かすを漉して飲むようになりました。ドリンクを飲んでみると、口の中、特に舌の先が痺れた感じになります。アヴァのドリンクやサプリメントは精神安定剤・鎮静剤として使用されることが多いです。
西洋人の影響を受ける前のハワイで、儀式に用いられた植物の中で代表的なのがアヴァです。乾燥させた根の一部やドリンクは神々への供物のひとつでした。儀式の終わりに司祭(カフナ)がアヴァを飲むこともあったそうです。カヌーを造るためにコアの木を切り倒すときにもアヴァが供えられたそうです。
ハワイ島ヒロのダウンタウンに2008年1月にオープンしたBayfront Coffee, Kava & Tea Companyというお店があります。Sig Zaneのお店のすぐ側です。左上の写真は、そのお店でアヴァのドリンクを作っている様子です。
頻繁に飲みすぎると、肝臓障害などを健康の害になる可能性があるので注意。
独立行政法人 国立健康・栄養研究所
「健康食品」の安全性・有効性情報
University of Hawaii at Manoa
College of Tropical Agriculture and Human Resources
リリウオカラニ女王
ハワイ島ヒロにはリリウオカラニ・ガーデンズという日本庭園があります。1900年代初期に造られた江戸スタイルの日本庭園です。庭園の名前は、ハワイ王国最後の王であるリリウオカラニ女王にちなんで付けられたものです。
カラーカウア王の妹であるリリウオカラニ(1838年オアフ島生まれ)は、兄カラーカウアの王位継承者となり、1891年に即位しましたが、1893年に女王廃位の署名を強制され、ハワイ王国は滅亡しました。リリウオカラニ女王は1917年に79歳でお亡くなりになりました。詳しくはここをクリック
リリウオカラニ女王は「アロハ・オエ」という歌の作詞者でもあります。
リリウオカラニ・ガーデンズは約30エーカーの公園で、このワイアーケア岬にある土地はリリウオカラニ女王が寄付してくださったそうです。サトウキビ・プランテーションの労働者として日本からハワイ島に移民して、Waiakea Sugar Plantaionで汗を流した日本人たちに敬意を示して造園されました。
日本庭園の中心部にあるワイホヌという池は、地下から涌き出てくる淡水とヒロ湾からの海水とが交わっています。
以下はリリウオカラニ王女を讃称するチャントです。日本語に訳してみました。
Lili‘u ē
-
Ê Lili`u ê, noho nani mai
-
Kô kino ê, ki`i milimili
Kô maka ê, nôweo nei -
Kô papâlina, ê kukû nei
Kô po`ohiwi, ani pe`ahi -
Kô poli ê, nahenahe wale
Kô kuli ê, nuku Moi `oe -
Kô wâwae, pahu a`e i luna
Ha`ina `ia mai ana ka puana -
Ê Lili`u ê, e noho nani mai
Ê ô ê Lili`u, i kou inoa -
Ka hae kalaunu, o Hawai`i nei
O Lili‘u sitting beautifully,
Your person we fondly touch, (Your body, beloved doll)
Your eyes sparkle (Your eyes are bright),
Your cheeks stand out (Your cheeks are so plump),
Your shoulders wave like a fan,
Your bosom is so soft (Your embrace is soft),
Your knees are like a Moi fish nose,
Your feet are lifted up,
Tell the refrain,
Of Lili‘u, sitting beautifully,
Answer Lili‘u to your name,
The crowning glory of Hawai‘i.
あー、リリウよ。美しく座っている。
私たちは愛情を込めて最愛の人形のようにあなたの体に触れる。
あなたの目はきらきら輝いていて、
あなたの頬はふっくらとしていて、
あなたの肩は扇子のようにやさしく動き、
あなたの抱擁はとても優しく、
あなたの膝はモイ(ツバメコノシロ属の魚)の丸い鼻のようで、
あなたの足は上がっている。
歌の始めに戻って繰り返します。
あー、リリウよ。あなたはとても美しく座っている。
リリウよ、呼びかけに答えておくれ、
愛するハワイの最高の栄光よ。
デジタル図書館でハワイに関する本を読む
オンラインで公開されている、デジタル図書館でハワイに関する本が読めます。
HDL: Hawaii Degital Library
ULUKAU: The Hawaiian Electronic Library
このブログは、ハワイ島でエコツアーを案内するHAWAII NATURE EXPLORERSの、ハワイ伝統文化保存を応援する取り組みのひとつです。緑豊かなヒロよりアロハをこめて発信しています。
オヘ・ハノ・イフ
この写真は、ハワイ火山国立公園のレンジャーがオヘ・ハノ・イフ(ohe hano ihu)を吹いている様子です。
オヘ・ハノ・イフは竹(ohe)で作った縦笛で、3つの穴でメロディーを奏でます。息を吹き込む穴に鼻を当てて、鼻息で演奏します。
昔は、女性への求愛や合図として鼻笛を吹いたそうです。鼻からの息は、魂・心からの清い息だと考えられていました。食べる、嘘をつく、嘔吐するなど、口は不浄であるため、鼻からの道は清いとされていました。
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「ホークーレア号」 アロハの掛橋
’Au i ke kai me he manu ala (Cross the sea like a bird.) 「鳥のように海を渡る」、これはハワイの諺です。
星、月、太陽、風、雲、波の動き、海鳥や魚たちなど、大自然が示す導きとともに、2007年1月11日にオアフ島を発ったハワイの遠洋航海カヌー「ホークーレア号」は6月9日に横浜に到着しました。
古代ポリネシアでは、海図もコンパスも使わずに、ハワイ、ニュージーランド、イースター島を結ぶ海域(約3400万平方キロメートルにもわたる海域)を航海していました。古代使われていたカヌーを復元したものが「ホークーレア号」です。西洋人の渡来が始まったころの記録にある全長100フィート(約31メートル)のカヌーと比べると、1975年に完成した全長約62フィート(約19メートル)の「ホークーレア号」は小型です。
ホークーレア号」の名前の由来は、「ホークーレア」という名の星。「ホークーレア」とはハワイ語で「幸せな星」または「喜びの星」という意味です。
北斗七星はひしゃくのような形をしていますが、そのひしゃくの柄の部分の曲線を延長してたどっていくと、オレンジ色の星があります。この星は、うしかい座にあるアルトゥルスという恒星です。この星のハワイ語名が「ホークーレア」です。ハワイ諸島の天頂を通過する星です。
1976年のハワイからタヒチまでの航海が「ホークーレア号」の処女航海でした。今回の航海は9回目の遠洋航海だそうです。
ハワイでは、800年前には遠洋航海が途絶えていたために、「ホークーレア号」の遠洋航海の実現するために必要な航海術がハワイには残っていませんでした。「ホークーレア号」の処女海で、ハワイからタヒチまで導いてくれたのは、ミクロネシアのサタワル島に住むマウ・ピアイルッグとう航法師です。
マウ氏への恩返しとして、航海カヌー「アリンガノ・マイス号」を寄贈することを目的に、「ホークーレア号」は「アリンガノ・マイス号」と共に、2007年1月11日にハワイ島カワイハエ港に向かってホノルルを出航し、ハワイ島カワイハエ港より、マーシャル諸島、ミクロネシア諸島、パラウ諸島へと向かいました。
ミクロネシア連邦のヤップ島から「ホクレア号」は日本に向けて北上して、日本では7つの港に寄航しました。サトウキビ・プランテーションの労働者としてハワイに移民してきた日本人たちの出身地である沖縄(糸満)、熊本(宇土)、福岡、山口(周防大島)、広島に寄航しました。広島と同じく原爆を経験した長崎や、2001年2月にハワイ沖で起きた「えひめ丸」の事故に追悼の意を込めて愛媛(宇和島)に寄航することも今回の旅の目的でした。そして最終目的地は横浜でした。横浜は1881年(明治14年)3月4日、カラーカウア王が世界周遊中に寄航した場所です。日本人のハワイ移民に関する合憲文書が取り交わされたのは1885年です。
アロハの掛橋がハワイから太平洋の国々にかかっています。そしてこの掛橋は太平洋から世界に広がっています。
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P.S. この「ホークーレア号」の写真は、都立戸山高校の霜山先生が撮ってくださったものです。都立戸山高校は2006年に引き続き、2007年もハワイ島とオアフ島で海外セミナーを行います。
TropicaのTraさんによるブログ記事をぜひ読んでみてください。感動が伝わってきますよ。
ポリネシア航海協会のサイト
ポリネシア航海協会の2007年航海ブログ(英語)
ポリネシア航海協会の2007年航海ブログ(日本語)
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イミロア・アストロノミー・センター
「イミロア」とはハワイ語で、英訳すると「to seek far, explore; distant traveler, explorer」で、比喩的には「one with great knowledge or avaricious for knowledge」です。
2006年2月にオープンしたハワイ島ヒロのイミロア・アストロノミー・センター (Imiloa Astronomy Center)は、宇宙映像を立体的に体験することができる4次元デジタル宇宙「4D2U」など天文に関するプログラムや展示物だけでなく、ハワイの創世神話クムリポなどハワイ文化に深く関連した内容に重視をおいたものが多く、 自然科学と文化の強い結びつきを実感することができます。
英語の解説だけでなく、ハワイ語の解説もあり、ハワイの伝統文化とハワイ語の復興運動の努力の結果が、イミロア・アストロノミー・センターの隅々から溢れ出していて、それが胸の奥まで伝わってきます。
建物の外観は、雲海の上に頭を出す3つの山、マウナ・ケア、マウナ・ロア、フアラーライを表していて、庭には、ハワイ固有の植物や、ポリネシア人の渡来とともにハワイに持ち込まれた、文化と深く関連した植物が植えてあります。
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マカヒキ祭
日没とともに東の空にマカリイ(Makali’iとは、ハワイ語で「小さな目」といういう意味で、プレイアデス星団のハワイ語名です。和名は「すばる」)が見え始めると、その後に迎える新月がマカヒキ(収穫祭)の始まりで、新年の始まりでもあります。
約4ヶ月に渡るマカヒキの間は、戦いも起こさず、休息の期間であり、収穫物やカパ(樹皮の繊維で作った布)やラウハラで作ったマットや木製品などを税として酋長に献納した後は、競技やゲームをしたり踊ったりして楽しく過ごした期間です。
昔のハワイでは、マカヒキは1年の中で一番大きな行事で、戦争の神「クー」ではなく、収穫・農業の神「ロノ」を称え、収穫への感謝が行われました。この期間は通常の場合、雨が大目の時期で、雨が大地を潤し、植物の成長にとっては重要な季節でもありました。
ロノを象徴する「ロノマクア」は、大きな白いカパ(樹皮の繊維で作った布)を「T]の字に組み合わせた棒で支えたもので、上部にノロの偶像が彫刻された縦棒は約4mで、横棒はシダや鳥の羽で装飾されていました。
ハワイを始めて発見した西欧人として知られているキャプテン・クックは、ちょうどマカヒキが始まったころに、白い大きな帆を持つレゾリューション号で渡来したため、ロノの到来と信じられ、大歓迎を受けたと伝えられています。
今年は、11月17日にマカリイが日没とともに東の空に見え始め、22日が新月です。 地球の自転軸の傾きには、定期的な周期的変化があるので、ポリネシア人がハワイで移住し、マカヒキを祝うようになったころと、現在とでは、マカヒキの時期が数日間ずれているけれど、多きな差ではありません。
HERB KAWAINUl KANE氏の絵を使わせていだだきました。彼が描いた昔のハワイ風景や人々を見ると、とても深いものが、とても深く、伝わってきます。
ハワイの月齢と暦
ハワイの先住民たちは、自然に密着した生活を営んでいました。星の位置や月の満ち欠けから、正確に時間や季節を把握して農業や漁業に活用していました。
Hilo ヒロ(1晩目):日が沈むと同時に、西の空に細い月(月齢1、日本で言う2日月)が見える夜です。この夜は魚はサンゴ礁に隠れているので、浅瀬での釣り(リーフ・フィッシング)には適していません。深海釣り(ディープ・シー・フィッシング)に適しています。タロイモやサツマイモなど地中にできる作物の収穫には適していません。丸く大きく育ってほしいものは植えません。
Hoaka ホアカ(2晩目): ホアカとは三日月形という意味ですが、霊魂という意味もあり、霊魂が影を作り魚が隠れてしまうので、釣りには適していません。昔は夜の儀式が行われていました。
Kū Kahi クー・カヒ(3晩目)
Kū Lua クー・ルア(4晩目)
Kū Kolu クー・コル(5晩目)
Kū Pau クー・パウ(6晩目)
サツマイモやタロイモを植えるのに適しています。ヤシもまっすぐ上に伸びて、元気に力強く育ちます。釣りに適していますが、潮の流れが変わる直前です。
‘Ole Kū Kahi オレ・クー・カヒ(7晩目)
‘Ole Kū Lua オレ・クー・ルア(8晩目)
‘Ole Kū Kolu オレ・クー・コル(9晩目)
‘Ole Kū Pau オレ・クー・パウ(10晩目)
オレは無、非生産的という意味です。潮が満ちて、海が荒れるので、釣りには適していません。作物を植えるのも控えめにして、釣りも オレ・クー・パウが来るまで待ちます。 ウル(パンノキ)を植えるのには適しているそうです。
Huna フナ(11晩目): フナとは小さい、隠れているという意味で、また刺がある、角があるという意味でもあります。月の角ばったところが見えなくなることを意味しています。タロイモやサツマイモやヒョウタンなど、地中や葉の下に隠れるような作物に適したときです。穴に隠れている魚を釣るのに適しています。
Mōhalu モーハル(12晩目):ハワイの四大神の中で一番偉い神だとされているKāneカーネ(太陽の光や新鮮な水など、生命の根源になる要素を司る神)にとって神聖な夜なので、魚、海藻、果物を食べてはいけません。ヒョウタン、バナナ、タロイモなど、この月のように丸みを帯びて大きく育ってほしい作物を植えるのに適しています。 モーハルとは(花が)開くという意味を持っています。
Hua フア(13晩目):フアとは卵、果物、種という意味です。満月に近づき卵のように丸みを帯びてきていることから、そのような名前がついています。農業に関連する気候や天気を司るとされ、平和と農業、豊饒の神であるLonoロノにとって神聖な夜です。陸も海も報酬豊かな日です。ハワイの先住民にとっては、満月は4晩続きました。フアが満月の1晩目です。
Akua アクア(14晩目):アクアとは神や女神のことです。死体、悪魔、偶像という意味もあります。2晩目の満月で、ほぼ完璧な満月です。釣りに適した夜です。食料が増えるように神々に捧げ物をしました。
Hoku ホク(15晩目):3晩目の満月で、ハワイの先住民にとっては一番丸い満月です。日の出の前に沈むことがあったので、Hoku Palemoホク・パレモ(沈んだホク)と呼び、日の出の時にまだ出ている場合はHoku Iliホク・イリ(取り残されたホク)と呼ばれました。 列状に植える作物に適しています。
Māhealani マーヘアラニ(16晩目):満月最後の夜です。この満月も日の出の後にも見えます。現在一般的に満月と呼ばれる月です。農作物を植えることや釣りに関してだけでなく、全ての仕事、作業に適しています。潮の流れは強いですが、釣りには適しています。夜には男性だけによってバナナが植えられたそうです。
Kūlua クールア(17晩目):この月は暗くなってから出てきます。初収穫物を神々に捧げます。潮の流れは強いですが、釣りには適しています。
Lā’au Kū Kahi ラーアウ・クー・カヒ(18晩目)
Lā’au Kū Lua ラーアウ・クー・ルア(19晩目)
Lā’au Pau ラーアウ・パウ(20晩目)
ラーアウとは植物のことです。ヒョウタンなどのツルは硬くなり、この日に植えた木の実(パンノキの実など)は硬くなってしまいますが、他の植物を植えるのには適しています。薬草を採集するのにも適しています。
‘Ole Kū Kahi オレ・クー・カヒ(21晩目)
‘Ole Lā’au Kū Lua オレ・クー・ルア(22晩目)
‘Ole Pau オレ・パウ(23晩目)
再び、無と非生産的な3晩がやってきます。月が地球から一番遠ざかっているときです。風が強く、潮が満ちています。作物を植えることも釣りを植えることもしません。草引きをしたり、片づけをしたりします。オレ・パウは海や漁業の神として信仰されているKanaloaカナロアにとって神聖なる夜です。捧げ物と祈りをします。
Kāloa Kū Kahi カーロア・クー・カヒ(24晩目)
Kāloa Kū Lua カーロア・クー・ルア(25晩目)
Kāloa Pau カーロア・パウ(26晩目)
カーロア・クー・カヒはオレ・パウに引き続きKanaloaカナロアにとって神聖なる夜なので崇拝します。バナナ、サトウキビ、カジノキ、タケなど長い枝を持つ作物や、サツマイモやヤムイモなでツルを持つ作物を植えるのに適しています。釣り(特に貝や甲殻類)にも適しています。
Kāne カーネ(27晩目):夜明けに出てくる月です。万物の根源、生命の神であるKāneカーネと、農耕の神、豊饒の神であるLonoロノを崇拝することに専念します。健康と食料のためにです。
Lono ロノ(28番目):夜明けの始まりに出てくる月です。引き続きKāneカーネとLonoロノを崇拝します。雨のためにです。
Mauli マウリ(29晩目):日の出とともに、または直後に出てくる月です。潮が引いて釣りに適しています。結婚式に適しています。
Muku ムク(30晩目):この月は日中に出てくるので全く見えません。釣りに適しています。
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ハワイアン・フィッシュポンド「ロコ・イア」
ロコ・イア(Loko i’a)とは、フィッシュポンド(養魚池)を意味するハワイ語で、昔のハワイの人たちは、ロコ・イアを造って、魚の供給を増加させ、供給を安定させていました。
ロコ・イアには4種類あります。
ロコ・イア・カロ(Loko i’a kalo):川から水路(アウヴァイ)を経て灌漑するタロイモ(カロ)畑で、淡水魚(オオプ)や淡水エビ(オパエ)を養殖しました。このようなロコ・イアは大抵平民のものでした。
ロコヴァイ(Lokowai):川の近くに池を掘り、水路(アウヴァイ)を掘って、川から池に灌漑し、そこで魚を養殖しました。このタイプのロコ・イアは全く淡水だけのものもあれば、海に近いところでは、潮が満ちてくると海水も混ざるものもあります。
ロコ・プウオネ(Loko Pu’uone):海の側にあり、海岸線に平行するように造られたロコ・イアですが、海とロコ・イアが砂丘などでで隔たれていて、その砂丘の一部にはロコ・イアと海を結ぶ水路があります。山側の泉や小川からの水も少し灌漑します。
ロコ・クアパ(Loko Kuapa):海岸に造るタイプで、海に石垣(クアパ)を造りって取り囲むようにロコ・イアを造ります。海水と魚の取り入れ口(マカハ)は1つか2つです。満潮時にマカハを開けておくと、魚が海からロコ・イアに入ってきます。その後マカハをしめた状態にしておきます。海辺の泉や近くの小川からの淡水も入ってきます。このようなロコ・イアは、主に王族や酋長たちのものでした。
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地元の小学生たちが作成したロコ・イアの絵
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ウィリウィリの花が咲くとサメが噛む
ハワイでは「ウィリウィリの花が咲くとサメが噛む」という諺‘ōlelo no‘eauがあります。ハワイ語ではPua ka wiliwili, nanahu ka manōと言います。
ハワイ固有のデイゴであるウィリウィリ(Erythrina Sandwicensis)は暑い時期(Kau wela)の終わりら雨が多い時期(Ho‘oilo)が始まる前にかけて(大体9月ごろから11月ごろまで)開花しますが、この時期はサメの繁殖期でもあるそうです。サメは夕方から明け方までは特に活動的で浅瀬(波打ち際や河口付近)に来ますが、特に繁殖期には襲撃しやすいようです。lālani kalalea(rows of protruding fins)と言います。
つい最近(2006年8月29日と30日)、ハワイ島サウスコハラの海岸から50m以内で全長3?4.5mのタイガーシャーク(イタチザメ)が数匹目撃されたので、ビーチパークが閉鎖されました。実は数週間ぐらい前から何度もサメが目撃されていたようです。山側ではちょうど今ウィリウィリがたくさん花を咲かせています。
自然と密着した生活をしていた昔の人たちの知恵は正しいのだなあと、つくづく思いました。
「サメの襲撃を避けるための安全対策」については、ここをクリック。