宇宙
Direct From Pluto First Encounter
私たちが住むこの宇宙の謎を解くための巨大な瞳、すばる望遠鏡には、優れた観測装置がたくさんありますが、新たに加わった主焦点カメラ Hyper Suprime-Camは、計8億7000万画素を持つ、満月9個分の広さの天域を一度に撮影できる世界最高性能の超広視野カメラです。
エリスなど数多くの海王星以遠天体を発見したことで有名な天文学者、マイク・ブラウンが、すばる望遠起用のこの巨大なデジタルカメラを使って観測することが予定されていた2015年3月に、カナダのディスカバリー・チャンネルの番組のためにインタビューを受けました。同年7月の探査機「ニューホライズンズ」冥王星最接近に先駆けてのものでした。
次には何を発見してくれるんでしょうか。楽しみです。人類は、星の動きを知ることにより、農業にも、漁業にも、航海にも役立たせてきましたが、天動説や地球平面説が主流であったのは、たったの4-5百年前のこと。人類の宇宙観は大きく更新されてきました。技術の発達により、神々しい宇宙の謎がどんどん解かれてきました。マウナケアよ、ありがとう。宇宙を見つめる巨大な瞳を置かせてくれて。
このインタビューが一部となった番組は、Direct From Pluto First Encounter というタイトルで、YouTubeで録画を見ることができます。(リンク切れになっていたら、このタイトルで探してみてください。)
冥王星が準惑星に降格されるまで(冥王星がマイク・ブラウンによって殺されるまでの)いきさつについて、彼が書かれた本があります。
日本語に訳されたものもあるようです。冥王星を殺したのは私です (飛鳥新社ポピュラーサイエンス)
雑談:50歳になったばかりのカメラマンが、あと2ヶ月ちょとで私の長女と同じ誕生日に50歳になるマイク・ブラウンを撮影し、50歳になる数日前の私が、その撮影場にいる機会があったこと、偶然とはいえ、とても不思議な感じです。Cosmic fate的。
2012年: マウナ・ケアで観察した金星の日面経過
地球から見て、金星が太陽の前面を横切る現象「日面経過」または「太陽面通過」を、ハワイでは2012年6月5日に見ることができました。
次回は105年後である2117年だということなので、私の一生のうちに見ることができるのは今回だけというわけで、とても楽しみにしていました。
上の写真は、国立天文台よりいただいた長い一続きの日食めがねや「日面経過」について書かれたものや、ハワイ火山国立公園のギフトショップで買った日食めがねです。色んな観察方法があるようですが、とりあえず私は日食めがねだけでいいかなって軽い気持ちでいました。
どのように観察できたかというと・・・白く丸いものは太陽像が投影されたもので、その片隅にほくろのような黒い点が見えます。これは金星のシルエットです。ちょうどお昼休みの時間に「日面経過」を見ることができたのでラッキーでした。
この日、すばる望遠鏡山頂施設を見学しに来たグループのひとつは、ドイツから来たマニアックなアマチュア・アストロマーたちでした。みんな望遠鏡やら双眼鏡やらカメラやら色んなものを持ってきていて、施設見学後に、ドームから少し離れたところで観察をしていました。私と同僚は、まずはランチをさっと済ませて、「日面経過」が始まる直前に屋外に出て、彼らのところへと行きました。
見てみる?覗いてみる?もっと見なさい、もっと見なさいと、勧めてくれたので、金星が太陽面に接触し始める段階から、
色んな段階を見ることができたので感動しました。望遠鏡や双眼鏡でみると、予想していたよりも意外と金星のシルエットが大きく見えたので、これまた感動が大きかったです。持参していた日食めがねだと、あまりにも小さすぎて、よく見えませんでした。
そろそろお昼休みの時間が終わりに近づいてきたので、施設に戻り始めました。仕事が始まる前に、すばる望遠鏡のスタッフが設置していた望遠鏡はどのようになっているのか見てみました。そのときに、上で紹介させていただいた、太陽像の投影
この望遠鏡にはカメラが設置してあり、またコンピュータにも接続してありました。たしか金星の大気を調べるのが目的のひとつだと言っていました。フランス人チームよる観測でした。
その望遠鏡の側の車の中の様子です。黒い丸は金星、左斜め上に太陽の淵が見えています。これで私のお昼休みは時間切れとなりました。
午後の仕事が終わってから、もう一度外に出て観察をしました。そのときに太陽像の投影を見せてもらったというわけです。
別のアメリカ人スタッフは黒いプラスチックの板をカメラに貼り付けて写真を撮っていました。
実は私も同じ黒いプラスチックの板を国立天文台からいただいていたので、テープで貼る時間はありませんでしたが、カメラの前に手で固定させて写真を撮ることにしました。
自分のカメラを使いこなしていない私は、近くにいらっしゃったすばる望遠鏡のスタッフのひとりである田澤さんに手伝ってもらいました。というか何枚か撮ってもらいました。その結果が以下の写真です。
写真で捕らえることができたこと、それから見てみたいと強く思っていた現象を見ることができたこと、感動の1日でした。
特に見たいと思っていたのは、「ブラック・ドロップ」という現象です。金星のシルエットのほぼ全体が太陽面に入り、太陽の縁から離れようとするときに、黒い滴のように見えるというものです。念願かなって私はその瞬間を見ることができました!
The Most Astounding Fact
”What is the most astounding fact you can share with us about the Universe?”
宇宙に関して最も驚くべき事実とは何かという質問に対する天体物理学者ニール・ドグラース・タイソン氏の答え。それは地球に存在する生命体を形成する原子は星から生まれたものであり、私たちは宇宙の一部であり、私たちは宇宙の中に住んでいて、私たちの体の中に宇宙がある・・・という事実。
Mauna Kea: Hawaiian cultural practioner Koa Rice
Hawaii News Nowのサイトで、聖なるマウナ・ケアと文化について、そして天文学との関連などについての話が紹介されました。インタビューを受けたのはKoa Riceです。
すばる望遠鏡
2010年4月8日、すばる望遠鏡がハワイのニュースで紹介されました。
KGMB/KHNL "Hawaii News Now" のサイトで "Subaru Observatory: Suzanne Frayer" を観る
KGMB/KHNL "Hawaii News Now" のサイトで "Subaru Observatory: Alan Iwasaki" 観る
宇宙の果を見つめる目
雲海の上に突き出たマウナ・ケア山頂部で宇宙の果を見つめる天文望遠鏡の集まりです。巨大な目が遠く彼方を見つめます。夕焼けと共にすばる望遠鏡が輝いています。次に加わるのは直系30メートルという超巨大な鏡をもつ望遠鏡です。
マウナ・ケア山頂は聖地であり、ハワイ固有の虫が棲んでいる特殊な環境でもあります。文化的にも環境的にも、望遠鏡建設に対する反論が耐えません。でも、天文学がハワイ島に与えてくれるものは大きいのではないでしょうか。今後ハワイ出身の天文学者や技術者や科学者などがもっと生まれてくれるといいなと思います。
【ANAで行く!】 オリオン座流星群を見る!降り注ぐ満天の星空と神秘のサンライズ ハワイ島6日間
イギリスの天文学者エドモンド・ハレー(1656-1742)は1531年、1607年、1682年に出現した彗星の観測記録から、同じ彗星が1757年に再び出現すると予言していました。木星と土星の摂動によって回帰が遅れましたが、この彗星は1758年12月25日に回帰が確認されました。(近日点通過は1759年3月13日)。エドモンド・ハレーの軌道計算は正しかったのです。この彗星はハレー彗星と名づけられました。カメハメハ一世は1758年にハレー彗星が回帰したころに生まれたという説があります。ハレー彗星はその後、1835年、1910年、1986年に出現しました。次は2061年だと予測されています。ハワイ語で彗星のことをホークーヴェロヴェロ(hōkūwelowelo)と呼びます。「空中に筋を引く星」という意味です。
ハレー彗星を母天体とする流星群のひとつがオリオン座流星群です。秋を代表する流星群です。オリオンが振り上げた棍棒の先あたり(上の写真でいうと、右斜め上の赤い星ペテルギウスの右斜め上で写真の枠外に位置するところあたり)が輻射点です。流星のことをハワイ語でホークーレレ(hōkūlele)と呼びます。「飛ぶ星」という意味です。
2009年10月のオリオン座流星群見学を組み込んだツアーの案内をさせていただくことになりました。星空を見上げて、参加者の皆さんと人生について語り合えればいいなと思っています。
【ANAで行く!】
オリオン座流星群を見る!
降り注ぐ満天の星空と神秘のサンライズ ハワイ島6日間
International Year of Astronomy 2009 (世界天文年2009)
International Year of Astronomy 2009
世界天文年2009
2009年は、
1609年にイタリアの科学者ガリレオ・ガリレイが
望遠鏡を宇宙に向けて、新たな宇宙の姿を観てから
400年目にあたる記念すべき年です。
THE UNIVERSE
YOURS TO DISCOVER
宇宙・・・解き明かすのはあなた
この言葉をテーマに、様々なイベントが開催されています。世界中の人々、特に若い世代の人々に、天文学や科学に興味を持ってもらうことを目的とした取り組みです。
AROUND THE WORLD in 80 TELESCOPES(望遠鏡80台世界一周)は、そういった企画のひとつで、24時間で地球上や宇宙にある最も優れた望遠鏡をビデオを通して訪れるというものです。 すばる望遠鏡など、ハワイ島マウナ・ケア山頂付近にある天文観測所も含まれています。
Gemini North telescope
国立天文台すばる望遠鏡
United Kingdom Infrared Telescope (UKIRT)
W. M. Keck Observatory
James Clerk Maxwell Telescope (JCMT)
Canada-France-Hawaii Telescope (CFHT)
Submillimeter Array
Caltech Submillimeter Observatory (CSO)
宇宙と自分
今年も残りあとわずか。毎日1日があっという間に終わり、毎年1年があっという間に終わる・・・目の前のことだけを考えていると、あわただしく感じる。
でも、別の角度から見てみた。これは、宇宙という大規模なスケールからみてみると、私たちは、地球という宇宙船にのって、猛スピードで宇宙旅行をしている証拠であって、そう考えてみると冷静な気持ちになれる。
赤道における地球の自転速度は秒速465m(新幹線の速度の8倍以上)。地球が太陽の周りを回転する公転速度は秒速29.8km(飛行機の平均速度の100倍以上)。
太陽系が銀河系の中心の周りを回転する公転速度は秒速220km、そして銀河系は秒速約600kmで宇宙空間を移動しているという。
私たちの体の物質は、宇宙に存在する物質と同じもの。宇宙が持つエネルギーは、私たちも持っている・・・ 目を瞑って、宇宙の姿とその動きを想像し、そうしている自分の姿を想像してみると、宇宙が持つ途轍もなく巨大なエネルギーを感じるだけでなく、自分が持つエネルギーを再確認することができる。
私たちは、一人一人が個性ある星であって、生まれ持った能力を発揮して、一生懸命生きると、益々輝く星だ。
このブログは、ハワイ島でエコツアーを案内するHAWAII NATURE EXPLORERSの環境保護への取り組みのひとつです。緑豊かなヒロよりアロハをこめて発信しています。
最も遠い銀河の世界記録
すばる望遠鏡が宇宙で最も遠い銀河の世界記録を更新しました。距離にして約128億8千万光年、約136億6千万年前に起こったビッグバンから約7億8千万年後の時代には確実に銀河ができていたということが証明されました。
この銀河は、満月の大きさに匹敵する広い視野を一度に撮像できる主焦点カメラによる撮像観測と、微光天体分光撮像装置のよって観測されました。 この発見により、最も遠い銀河ベストテン10個のうち9個がすばる望遠鏡が発見したものとなりました。