旅行記
いとしいカウアイ島への旅 2日目 その4
ここはワイメア・キャニオンの近くで、コアの木が沢山生えている森です。上の写真の植物はカウアイ島固有のハーハールア。キキョウ科の植物です。下の写真はキョウチクトウ科のマイレです。
森を抜けるとワイメア・キャニオンの景色が広がります。この雄大な景色に見惚れている私たちの頭の上を3羽のネーネーが鳴きながら飛んでいきました。
この近くにはジンチョウゲ科のアーキアが花を咲かせていました。緑色の花でした。
またコアの森に戻りました。この辺りには細いコアが多かったです。エレパイオやアパパネの声が聞こえました。
トレイルにはコアの偽葉が沢山落ちていました。サラサラしています。
このハイキング・コースでは、リュウゼツラン科のハラ・ペペや、アオイ科のコキオ・ケオケオ(白いハイビスカス)も見かけました。
ところどころ、野ブタが地面を掘ったあとが見られました。別の場所では何匹かの野ブタが茂みの中を歩いている姿が見えました。ここは州立公園なので、国立公園の自然管理のようには徹底していないようです。なんとかできないものでしょうか。
フル活動をするとお腹がペコペコになります。ワイメアにあるステーキハウスで夕食でした。このナプキンとても気に入りました。このチェック・デザインは「パラカ」。このステーキはとてもやわらかかったです。コロラド産のビーフだそうです。
いとしいカウアイ島への旅 2日目 その3
私がカウアイ島の中で一番好きなところはコーケエの森。ハワイ島で一番好きなところはどこですかと聞かれると、同じく森なのです。ハワイの精髄の最後の遺物だからです。森に行くと島の誕生以来続いているハワイの鼓動と息吹を深く感じることができます。
空と海とカララウ渓谷の景色は息を呑むような絶景です。遠くにシラオネッタイチョウが飛んでいる姿が見えました。
もう10月ですから、ハワイはこれからがホオイロの季節です。気温が低めで雨が多めの季節です。渡りのシギの仲間達がすでに帰ってきています。ガンカモ科の鳥達も帰ってきます。次にザトウクジラも帰ってきます。
上の写真はアカネ科のピロ、これは木なので実が目線のレベルなのでぱっと目につきます。下のは同じくアカネ科のマーコレ。これは地面に這うように生えています。
ハワイの森の植物の花は小さいものが多いです。小さいけれど、とても綺麗だし、とても不思議だし、なんだか森の妖精のような感じです。見逃してしまうともったいない。
上の写真はシソ科のモーヒヒ、香りのないミントのひとつです。下の写真はクサトベラ科のナウパカ・カハカイ。どちらの種も、ハワイ島にあるものとは違う種です。ひさしぶりだね?元気?と声をかけてあげました。
雨が多いところの森では、木々の下に多種多様な植物が沢山生えています。下の写真の木はウコギ科のラパラパです。ハワイ島にはオーラパというよく似た植物がありますが。ラパラパはありません。カウアイ島には両方あります。
ハワイの植物たちはバランスよく共存しているようです。こういうところに外来種の植物が浸入すると大きな問題を引き起こします。世界中どこにいってもないハワイ独自の植物を大切にしたいです。
上の写真はツツジ科のオーヘロ。花の形はハワイ島のものと違っています。下の写真はユリ科のウキウキ。私がいつもハワイ島のキーラウエア火山で見るウキウキは水色の実をつけます。
森には色んな緑があります。薄い緑、濃い緑・・・ 緑色のものは葉っぱだけではありません。
緑色をした実もあちこちにあります。これはミカン科のモキハナ。カウアイ島を代表する植物です。アニスのような香りがあり、レイに用います。
モキハナに似たものもあります。これは同じくミカン科のクーカエモア。クーカエとは糞のことで、モアは鶏。糞のような香りはしませんよ。これも柑橘系の香りがします。
トレール折り返し地点で歓迎してくれたのはエレパイオ。ヒタキの仲間です。好奇心が旺盛な鳥なので、近くにやってきます。ハワイ島にいるエレパイオより薄い色をしています。
カウアイ島の鳥達はどんどん減少していっています。鳥の病気を媒介する蚊が地球温暖化とともに上昇してくるからです。カウアイ島には高い山がありませんから、鳥達は蚊から逃れることができません。
遠くからぱっとみたところハワイ島にあるシダと似ていても、近くで見てみると違います。葉の様子も、毛の様子も・・・
もっともっと色んな植物を見たかったかったけれど時間切れ。このブログ記事ではご紹介できなかったけれど、今回、フトモモ科のオーヒアや、キキョウ科のハーハーアイアカマヌや、キク科のナエナエや、イネ科のウキや、ユリ科のパイニウ、ヤブコウジ科のコーレアや、サルトリイバラ科のホイ・クアヒヴィなども観察してきました。
アジサイ科のカナヴァオは実をつけていました。色づいてきた様子が下の写真でわかります。
この辺りにはトンボが沢山います。ハワイ語ではピナオと言います。写真はうまく撮れませんでしたが、綺麗な青い色をしているのがわかります。
ハワイの宝物を沢山沢山見ることができたので大満足でした。上を見たり、下を見たり、横を見たり、でも足元には気をつけていたはずなのですが・・・、でも転んじゃいました。ぬかるみは少なかったので、この程度で収まりました。
駐車場に戻ると、ハイキングを始める前に出合ったコーレア(ムナグロ)が、まだ同じところにいました。いつも駐車場で観光客に餌をもらっているようで、ずいぶん近くまで近寄ってきました。ネーネー(ハワイガン)が来るようなところでは、餌をやらないでくださいという看板がたっているのですが、コーレアのためにも、そのような看板が必要だなって思いました。
いとしいカウアイ島への旅 2日目 その2
カウアイ島のワイメアの土は真っ赤。ハワイ島には赤茶けた土はありますが、こんなに赤い土はありません。少しだけ溶岩が残っていました。長い年月をかけて周りから土となっていった溶岩。残りのわずかな部分が丸い岩のように見えます。
ワイメア・キャニオンは素晴らしい景色です。ノウノウ・リッジと同じく、カウアイ島がハワイ島のあたりで形成されていたころの部分が侵食を受けたところ。雄大な自然の彫刻美です。
ワイメア・キャニオンや、西側と南西側に面した渓谷の固有の白いハイビスカス、コキオ・ケオケオ。とても上品な香りがします。
いとしいカウアイ島への旅 2日目 その1
宿泊したところはポイプーにあるコンドミニアム。1日目に到着したときには、もう真っ暗な時間でした。風通しがとてもよいところでした。2日目の朝、早起きして写真を撮りました。
ドアのところにはココナッツが置いてありました。ルームメイキングが必要のないときには、「DO NOT DISTURB」と書いてある面が見えるように置いておきます。
ホテルに泊るときもそうなのですが、いつも私は滞在期間中ずっと「DO NOT DISTURB」のサインを出したままにしています。ココナッツを利用しているのって素敵だなと思いました。私のユニットのものは文字がうっすらとしていたので、お隣のユニットのやつを写させていただきました。
ドアを開けると階段があって、その上は素敵なリビングルーム。ユニットによって間取りや家具が違うようなのですが、私が泊ったユニットは、とてもセンスがよかったです。オーナーの方はどんな人なのでしょうか。
ラナイ(ベランダ)からは少しだけですが海が見えました。
ダイニングルームでゆっくりと食事をとるような時間はありませんでしたが、とてもウェルカミングな雰囲気でした。
料理が楽しくなりそうなキッチンでしたが、残念ながら今回使ったものはナイフ1本とペーパータオルだけでした。食べたものはというと・・・ピーチ。
最後にベッドルーム。寝心地のよい大きなベッドでした。窓からは爽やかな風が入ってきます。夜は寒いぐらいでした。
というわけで、たったの3泊だけでしたが、ここが私のhome away from homeでした。毎晩ここで、その日の余韻にひたりながら、ヒロから持ってきたカウアイ島の自然に関する本を読んで予習と復習をしました。子供の頃には、こんなに熱心に勉強しなかったのに、今の私は別人のよう・・・
今回、車の運転もお任せだったので、車窓からも地形や植生をしっかりと見ることができたし、地図を見たり、参考になる本を読んだりすることもできたので、とてもありがたかったです。
いとしいカウアイ島への旅 1日目 その3
リーフエ空港を出てから、まずはランチ。私が食べたのはBLT。Bacon(ベーコン)と、Lettuce(レタス)と、Tomato(トマト)のサンドイッチ。とっても美味しかったです。
現在のハワイ島の位置で、カウアイ島が形成されいた頃に流出した溶岩の層が、このノウノウ・リッジというところには崩れずに残っています。
約500年前のカウアイ島はハワイ島のキーラウエアやマウナ・ロアのような形をしていたのでしょうか。その後、太平洋プレートの動きとともに、氷期と間氷期を何回か経て現在の位置にたどり着き、人類がこの島に足を踏み降ろしたのは、たったの千数百年前。西洋人たちが渡来するようになったのは、たったの二百数十年前。
さて、トレイルの土はとても乾燥した様子で、ひび割れていました。湿潤なハワイ島ヒロから来た私にとっては珍しい模様なので写真を撮りました。
ここは外来種のストロベリー・グアヴァなど外来種の植物が沢山繁殖していましたが、所々にハワイの植物が生えていました。これはコショウ科のアラアラ・ワイ・ヌイです。
尾根に近づいてくるとオーヒアの木などもポツポツと生えていました。元々あった植生はほんのわずかしか残っていませんでしたが、健気に生きている植物たちが、まるで私に「ちょっと、ここ、ここ、こっち、こっち」って声をかけてくれるようでした。アオイ科のイリマもぽっつりと生えていました。
夕方近づいてきました。太陽の光が雲の間から差し込む様子が大変美しかったです。天へのはしご。
尾根沿いで強い風が当たるところにも色んな植物が生えていました。これはアココです。切り立ったところだから高く見えるけれど、たった350メートルほどしかない高さ。
尾根沿いの岩場のところには、その他色々と生えていましたが、コショウ科のアラアラ・ワイ・ヌイや、ハワイ語名がそれに良く似たシソ科のアラアラ・ワイ・ヌイ・ワヒネも生えていました。こんな姿をしています。
この尾根は遠くから見ると、巨人が上向けに眠っているような姿に見えるのでスリーピング・ジャイアントというニックネームがあります。(上から2番目の写真は巨人の頭にあたる部分) これは近藤さん。
ハワイにはキク科センダングサ属の植物が19種類あります。最近私は19種全種見てみたいという思いに駆り立てられています。これまでにハワイ島では3種だけですが観察しました。この尾根を歩いたときに、1つだけ、それらしき植物に出会いました。もしかするとカウアイ島固有のBidens forbesiidaなのかな。
この山の周りの平地は開拓された土地なので、ハワイの植物がほとんど残っていないのかもしれません。この山も外来種の植物の浸入が痛々しくみえましたが、尾根沿いの部分や崖の辺りにはハワイの植物が健気に残っていました。これはバラ科のウーレイです。「がんばってね」と声をかけてあげました。
この日の締めくくりは・・・ワイポウリにあるレストランで食べた「カウアイ・スーパー・サイミン」!洗面器のように大きな器に入ったデッカさでした。いや、バケツのようにデカイと表現してもおかしくもないサイズ。
残したのはゆで卵とテリヤキビーフとスープだけ。その他はペロリと食べてしまいました。美味しかった?。
いとしいカウアイ島への旅 1日目 その2
リーフエ空港に到着しました。バッゲージ・クレイムまで歩いて行く途中には、フラ・カヒコを踊るダンサーの写真が飾ってあって素敵だなっていつも思います。
まずはトイレへ直行。順番待ち・・・次は私の番・・・あっ開いた・・・あっ!なんと出てきた人はリンダ・リングル州知事でした。笑顔で挨拶を交わしただけでしたが、何てラッキーなんでしょう。新聞やテレビで拝見している彼女よりも、実物のほうが綺麗だなって思いました。とても笑顔が素敵でした。
「ワタシは最高にツイている」ってセリフがぴったりな瞬間でした。
さて、この2年ぶりのカウアイ島への旅というのは、下見のためのものでした。2008年の夏と2009年の夏にサイエンス倶楽部のハワイ島実習のお手伝いをさせていただいたのですが、カウアイ島でのプログラムもということで、下見の一部に同行させていただきました。深謝!
ホノルル空港で広永さんと近藤さんと合流しました。2ヶ月ぶりの再会に感動しました。
さて、リーフエ空港でレンタカーを借りるためにシャトルを待っていると、足元にこんなニコニコ・マークのシールを見つけました。カウアイ島が笑顔で歓迎してくれている感じでした。
州知事とばったりとすれ違ったこと、このニコニコ・マーク・・・なんだかいいことが一杯ありそうな予感。
いとしいカウアイ島への旅 1日目 その1
2009年10月1日、ハワイ島ヒロ空港からオアフ島ホノルル空港を経由して、カウアイ島リーフエ空港へと飛びました。ヒロ空港からホノルル空港は約50分、ホノルル空港からリーフエ空港までは35分ちょっと。
ハワイアン航空は今年で就航80周年を向かえ、機体にはこのようなヴィンテージ・ポスターのデザインが貼られています。入り口のところにあるので、搭乗の際にその素敵なデザインを見ることができます。 何種類かあります。これは今回ホノルル空港からリーフエ空港までの機体に貼ってあったものです。カウアイ島の切り立った山と砂浜のイメージにぴったりなデザインでした。
ホノルル空港では少し雨が降っていました。いよいよカウアイ島に向かって飛行機が離陸しはじめます。
ハワイ島ヒロには高層ビルがないので、私にとってホノルルは大都会です。ここ10年ぐらいは空から見るだけです。
カウアイ島が見えてきました! 2年ぶりです。 あ?、早くカウアイ島の森の中に入りたい。会いたい植物たちが沢山あるんです。そして鳥たちも。
ハワイアン航空の飛行機には全て名前があって、それはハワイの鳥の名前です。私が乗っているこの飛行機は「オーマオ」ハワイ島固有のツグミです。
「オーマオ」の翼に乗って、いよいよカウアイ島に到着!
鎌倉での体験(2)
南部さんと、Kouhei君(南部さんの息子さん)とカウアイ島のBobbyと彼のガールフレンドのAkemiさんと鎌倉の山を歩きました。
ウグイスやメジロの声が素敵でした。この2種の鳥はハワイにも持ち込まれていて繁殖している鳥達です。本来はこういうところに住んでいる鳥達なんだぁ、このような鳥達には、こういう森で出会ったほうが価値があるなぁ・・・ハワイ固有の鳥達は特定のところにしか住めなくなってしまっているのは悲しいなぁ・・・などと考えながらあるきました。
トンビやハシブトカラスの声も聞こえました。ハワイのカラスは最後のつがいが2002年6月14日に観察されて以来、姿を表さなくなってしまいました。自然界では絶滅してしまったのでしょう。残るは今飼育センターにいるものだけ。いつか放鳥してあげることができますようにと祈りながら歩きました。
鎌倉の森では桜の花も少し残っていましたし、タチツボスミレやタンポポやヤマブキも咲いていました。そしてアケビの花やウラシマソウという今まで見たこともない植物も花を咲かせていました。森も心も「うららかな」というのがぴったりでした。
日本の自然は四季折々の美しさがあっていいですね。モミジが紅葉しているときに来ると素晴らしいだろうなと想像しながら歩きました。
緑がいっぱいで、サラサラと川も流れていました。とても湿潤なところで、ハワイの古い山の中を歩いているような雰囲気のところもあり、心が和みました。
山の上からは東京の都心が遠くに見えました。都会からそんなに離れていないところに、こんなにも自然が残っているなんて・・・鎌倉っていいなぁ、日本の自然にもっともっと触れたいなぁと思いました。
鎌倉での体験 (1)
鎌倉の南部さん宅に2泊させていただきました。写真に写っているのはカウアイ島のBobbyと、南部さんの奥様マリア、南部さん、南部さんの娘さんモニーク、そして私。写真を撮ってくれたのが、去年の夏に我が家でホームステイをしたKouhei君ことクリストファー。
純日本風の家です。古く味のある家で、濃い木の色に、白いカーテンなどがとても似合っていて、マリアのインテリア・デコレーションがぴったりとマッチした、素敵な家でした。
朝は鳥の声で目覚めました。ハワイでも聞きなれているメジロの声。そして「ピーヒョロロ・・・」という声。あ、これはトンビだと思い、廊下のカーテンを開いて外を見てみると、電柱にトンビが1羽とまっていました。トイレに行って戻ってきたときには、もういませんでした。廊下のカーテンを開けたまま、障子も開けたまま、外が見える状態にして、布団の中へと戻りました。外を眺めていると、「ピーヒョロ、ピーヒョロ・・・」と絶え間なく聞こえてきました。見たくて見たくてたまらなくなり、さっと着替えて、玄関の外にでました。
トンビが沢山飛び交っているではありませんか。そこにも、あそこにも。そして真上を飛んでいったのもいました。30分ぐらい、ずっとそこに立ってトンビたちを見ていました。ふと後ろを見ると、白と黒の姿をしたセグロセキセイが路地で何かをついばんでいました。
この日は、鎌倉山を歩く予定でした。家の中で物音がし始めたので、私は家の中へ戻り、感動を伝えました。
カウアイ島: 3日目(12月14日)
この日のハイライトは、ポイプにあるアラトン・ガーデン(Allerton Garden)でした。
このガーデンは、米国州議会によって定められたナショナル・トロピカル・ボタニカル・ガーデン(National Tropical Botanical Garden)のひとつです。
ナショナル・トロピカル・ボタニカル・ガーデンの活動は、自然科学の研究(Scientific research)、 保護(Conservation)、教育(Education)を目的としています。ハワイとフロリダに、ガーデンが5ヶ所、保護区が3ヶ所あり、個人的な基金によって運営されています。
この土地は、エマ妃(Queen Emma)が所有していた土地で、ロマンチックな造園は、後に所有者となったロバート・アラトン氏(Robert Allerton)がデザインしたものです。映画ジュラシック・パークの撮影ロケ地のひとつです。
アラトン・ガーデンを案内してくれたガイドのジョンさんの説明は大変詳しく、植物の不思議さと、植物の大切さについて再認識できる機会を与えてくれました。彼は素晴らしいインタープリターです。ツアーが終わる前の、最後の話を聞きながら、私は感動のあまりに涙が出てきました。
このブログは、ハワイ島でエコツアーを案内するHAWAII NATURE EXPLORERSの環境保護への取り組みのひとつです。緑豊かなヒロよりアロハをこめて発信しています。