植物
キーラウエア: 雨上がりの雨林
キーラウエア火山の東側に面した森
シダが生い茂るしっとりとした雨林
ハワイ島フアラーライ山のコオコオラウ
キク科(Asteraceae)センダングサ属(Bidens)は、日本では雑草です。種が衣類にくっつく「ひっつき虫」のひとつです。世界中に分布している草花ですが、ハワイ固有のものが何種かあります。木質化していて4メートルぐらいに成長するものもあります。ハワイ語ではコオコオラウ(ko’oko’olau)と呼びます。
コオコオラウの一種であるBidens micranthaは、ラーナイ島とマウイ島ウエスト・マウイの標高150-1500mの雨が多めの環境、マウイ島ハレアカラーの標高750-2300mの乾燥林や亜高山低木地帯、ハワイ島フアラーライ山の西側に面した標高50?150m(?600m)の乾燥林や低木地帯に分布している種です。 花は良い香りがします。
この3枚の写真のコオコオラウは、ハワイ島フアラーライ山のもので、Bidens micrantha ssp. ctenophyllaという亜種です。
希少な植物なので保護してあげないといけないです。この写真の固体は育てているものです。
キーラウエアのコオコオラウを見る
マウナ・ケアとマウナ・ロアのコオコオラウを見る
コオロア・ウラ
アオイ科アブチロン属のコオロア・ウラ(ko’oloa ‘ula)は、ラーナイ島、マウイ島、ハワイ島、オアフ島の低地乾燥林にある植物で、特定のところにしかない稀な固有種です。(Abutilon menziesii)
2?3メートルの低木で、花は小振りで、少し下を向いています。花の色は薄いピンクからエビ茶色です。葉は薄い緑でハート型をしています。
農地、牧場、住宅など開発により減少してしまいました。野ヤギや野ネズミ、外来植物の繁殖、火事、外来のコガネムシなどもコオロア・ウラの減少の原因です。現在、野生の個体が残っているところは10箇所もないそうで(ラーナイ島2箇所、マウイ島5箇所、ハワイ島1箇所、オアフ島1箇所)、個体数は計450?500ぐらいだそうです。とても希少な絶滅危惧種種です。
ラーナイ島には、コオロア・ウラと共通祖先を持つアブチロンがもう一種あります。(Abutilon eremitopetalum)
コアリ・アヴァ
ヒルガオ科(Convolvulaceae)イポメア属(Ipomoea indica)は、ハワイも含め世界中の熱帯地方で広く分布している種ですが、ハワイではコアリ・アヴァと呼びます。
ハワイでは標高150?1250メートルぐらいの降雨量が少ない環境に生えています。葉はハート型で、直径6?8センチの花の色は朝は青く、午後から夕方にかけてピンク色に変わります。
根や葉や枝や花の汁は下剤として用いられました。また接骨や打ち身の治療にも利用されました。根や枝の皮はすりつぶして塩と混ぜ、皮膚がかぶれないようにキー(ティー)の葉の上にこの湿布薬を乗せて骨折した患部に当てたそうです。
Grandmother Koa
直径1メートルぐらいの古いコアの木。色んな植物がこのコアの木の太い幹や枝に着生しています。この木に色んな虫達が棲んでいます。色んな鳥達が虫を食べに、蜜を吸いにやってきます。ハワイ固有の生物をたくさん養い育ててくれています。
溶岩台地のオーヒア
真っ黒な溶岩台地の裂け目に根を下ろし、照りつく強い日差し、強い風、時折漂ってくる火山ガス、自然の厳しさにめげることなく力強く生き延びているオーヒア。
赤い部分は新芽です。溶岩の気泡に沁み込んでいった雨水と雲霧から得る水分が、オーヒアの命を支えています。
プーキアヴェ
エパクリス科(Epacridaceae)のプーキアヴェ(Styphelia tameiameiae)
ハワイだけでなくマルケサス諸島にもあるという常緑低木
雨が少ないところに生えている種ですが
たまに雨が降ると、このように水滴がつきます
小さな葉に、色鮮やかな丸い実
実の色は濃いピンクに、薄いピンクに、白もあります
小さく白い花はとても可愛いです
身分の高い酋長たちは、平民と触れ合うときには、
プーキアヴェの木を燃やし、その煙を浴びて、
神官に呪い・神の許しを得る祈りのチャントをしてもらったそうです
たくさん実をつけたオーヘロ
オーヘロの花と実。実の色は黄色もあれば赤もあります。
花も葉にも個体差があります。
このオーヘロは実が沢山なって、その重みで先端部が地面についていました。
少し持ち上げて写真をとってあげました。
上の写真はどちらもハワイ島の溶岩や火山灰で覆われているようなところや乾燥林でよく見かけるオーヘロ(ʻōhelo) です。(Vaccinium reticulatum) 他のオーヘロと区別するために、オーヘロ・アイ(ʻōhelo ʻai) と呼ぶこともあります。食べれるオーヘロといういう意味です。葉は小さく1?3センチ。実は黄色から赤まで様々です。火山の女神ペレの聖なる食べ物だと言われていました。ネーネー(nēnē)というハワイ固有のガンが好んで食べる実のひとつです。
ハワイ島には他にオーヘロ・カウ・ラーアウ(ʻōhelo kau lāʻau) という雨林に生える種もあります。意味は木にかけたオーヘロです。この木はオーヘロ・アイよりも大きく1?5メートルです。花の色は緑です。実の色は真っ赤です。葉は2?4センチ。(Vaccinium calycinum)
ハワイ島ではこの2種をよく見かけます。どちらもハワイ固有の植物です。ブルーベリーやクランベリーやコケモモと同じくツツジ科スノキ属の常緑低木です。
3人仲良し、三つ子のオーヘロ
溶岩の隙間に芽生えたオーヘロ
新芽は鮮やかな赤
葉に太陽の光が差し込み
葉脈の美しい模様が見えます
たったの5センチほどの高さの若いオーヘロです
「アーヒナヒナ」
「アーヒナヒナ」
ハワイ島の高山植物のひとつ
普段は雲海の上で、雨がほとんど降らない高地乾燥地帯
でも雲の中に入ってしまうときがあり
そんなときは葉に生えている産毛で
長らく待っていた水分を雲霧から得まて
葉の中に水分を蓄えます
この写真は、雲霧が去っていった直後に撮りました。
葉にビーズのような水滴がついています。