火山
エネルギーの固まり「火山弾」
赤く熱くやわらかい溶岩が空中飛行しながら固まった火山弾。
回転飛行してねじれた紡錘形。
大いなるエネルギーを閉じ込めて「動」から「静」になった固まり。
キーラウエア火山: マグマから出てくるガス
ここにはマグマがある層へと続く深い断層があり、地下水や雨水による水蒸気とともに火山ガスが地表へと上昇してくるところです。
火山ガスとは、もともとマグマに溶け込んでいた硫黄などの発揮性成分が、マグマが上昇して圧力が減少するとともに、マグマから抜け出して地表へと上昇してくるものです。
ここの火山ガスには、水に比較的よく溶ける無色無臭の二酸化炭素(carbon dioxide, CO2)、マッチに火をつけたときのような刺激臭を持った二酸化硫黄(sulfur dioxide, SO2, 亜硫酸ガスとも呼ぶ)、無色で水に溶けやすい腐卵臭を持った硫化水素(hydrogen sulfide, H2S )が多く含まれています。
硫黄のガスは、地表に近づき温度が低くなると硫黄が析出し結晶ができます。 このような美しい硫黄の結晶があっという間にできます。 下の写真は析出したばかりの硫黄の結晶です。
火山ガスの一部はこのように硫黄の結晶となりますが、そうならずに二酸化硫黄が酸化して三酸化硫黄(Sulfur trioxide, SO3)となり水に溶かされると、無色で酸性の液体である硫酸(sulfuric acid, H2SO4)となります。周りの溶岩は硫酸で分解され、カルシウム(calcium, Ca)やナトリウム(Sodium, Na)など水溶性成分が失われ、残ったケイ素(silicon, Si)やアルミニウム(aluminum, Al)が水と結合して変質し、粘土鉱物ができるそうです。この辺りの粘土は酸化鉄(iron oxide)によって赤茶けた色をしています。
ハワイ島キーラウエア火山
米国地質調査局USGSによる、2009年11月21日のキーラウエア火山ハレマウマウ火口での小爆発のビデオ。
2009年12月28日のキーラウエア火山ハレマウマウ火口の噴気功の中200メートルほど奥に見えた溶岩。米国地質調査局USGSによるビデオ
今年はどのような火山活動が起きるのでしょうか。楽しみです。展望台から見えるようになる日が来るでしょうか。
地球の鼓動を足元に感じながら・・・
夕暮れ時、
キーラウエアから眺めるマウナ・ロア。
足元には400-600年前の噴火で、空高く噴出した溶岩があり、
直ぐ近くは40年前に5年間噴火し続けてできた溶岩台地があり、
この辺りはマグマの地下の通り道があるところ。
目の前の矢印は色んな方向を指しているけれど、
その1本は40年ほど前に溶岩で埋め尽くされてしまった火口を指しています。
その火口の近くにあった道は、跡形もなく溶岩で覆い尽くされています。
この大地は生きています。
大地の割れ目
2007年7月にできた亀裂。
表面に見える溶岩は1969年の噴火によるもの。
大地が裂けるときって、どんな音がするのでしょうか。
夕暮れ時のプヒマウ地熱地帯
キーラウエア火山のプヒマウ地熱地帯。この近辺には、マグマの地下の通り道があります。1938年に発見されたときには、すでに約15エーカーの森の木々が熱で枯れてしまっていたそうです。この地熱地帯の中心部辺りでは摂氏83度、ふちの辺りでは27度だったそうです。
この地熱地帯は、1961年には約16エーカー、1976年には約25エーカー、1985年には29エーカーに広がり、現在はもっと広くなっています。あちこちから水蒸気が出てきています。
新しく広がったところでは、木々が立ち枯れしていますが、古くから地熱の影響を受けているところでは、木々は跡形もなくなくなってしまっています。
The Eruption of Kilauea 1959-1960 Chapter 1-4
ハワイ島キーラウエア火山のキーラウエア・イキ火口が1959年に噴火してから、今年(2009年)で50年になります。ハワイがアメリカ合衆国の50番目の州になった年も1959年です。
この写真では、500年ほど前に陥没したといわれるキーラウエア・イキ火口と、1959年の噴火でできたプウ・プアイという噴石丘、その向こうには山頂部のカルデラ、そしてカルデラ内にある巨大なハレマウマウ火口から出ている噴煙、そしてその奥にはマウナ・ロアも見えています。
以下のビデオは1959年のキーラウエア・イキ火口の噴火と、1960年のカポホの噴火の様子です。
ハワイ島の真っ黒な砂
ハワイ島では黒い砂のビーチが何箇所かにあります。
高温の溶岩が海に流れ込みむと、海水との極端な温度差のために、急激に冷えて固まり砕けます。それが真っ黒な火山ガラスの破片である黒砂(black sand)と呼ばれるものです。
黒砂のなかに緑の砂が混ざっていることがあります。 緑の砂はオリビーン(カンラン石)です。
古い溶岩が波の浸食によって打ち砕かれてできた黒砂もありますが、光沢はなく、乾いていると灰色です。
マウナ・ロア
マウナ・ケアから見たマウナ・ロア。1984年の噴火から25年経ちました。
1984年の噴火は3月24日の夜に山頂部で始まりました。
翌日には北東リフトゾーンで・・・
その溶岩はヒロへ向かって流れてきました。
4月4日ごろにはヒロの少し山側まで到達しまていました。
この1984年の噴火は3週間続きました。
2009年6月12日のハレマウマウ火口
USGSの撮影による、2009年6月12日午後7時15分のハレマウマウ火口の様子です。噴気功の中に見える溶岩湖です。溜まっていた溶岩のレベルが、40秒ぐらいの間に何回かの段階をふんで下がっていく様子がよく分かります。これは実際のスピードだそうです。