自然現象
森の宝物
樹液が作った森の宝物です。昆虫採集をしているときに、娘の友達が発見しました。あまりにも完璧で、あまりにも綺麗なので、ずっと見つめてしまいました。自然の芸術作品のひとつですね。
ハワイ島: 2008年の初雪
今年の初雪・・・
10月25日の朝、マウナ・ケア山頂にある、すばる望遠鏡のドーム屋上にも雪が少し積もっていたそうです。26日の朝には、ヒロからも山頂部の雪が見えました。いよいよハワイも冬。
雪の女神ポリアフの美しい姿がみられる季節です。
はっきりと見える貿易風逆転層
キーラウエア火山からマウナ・ロア山の南西部に向かって撮った写真です。雲の上と下の様子がよくわかりますよね。雲の下には湿気た空気があり、日中暖められた空気が上昇するとともに冷えていきます。上空では高気圧によって下降気流で圧縮が起こり温かくなります。上昇気流の冷えた空気と、下降気流の温かくなった空気が触れ合い雲が発生します。これは典型的な貿易風逆転層です。その雲の下に火山ガスが充満しています。雲の上は冷たくて乾燥した澄んだ空気があります。北東から吹いてきた貿易風がキーラウエア火山の南をぐるっと取り巻くように吹いて、マウナ・ロア山の南側に向かって吹いていきます。
ハワイでの貿易風逆転層は、日によって異なりますが、平均標高約2000mで起こります。夏に頻繁に生じますが、冬場は少なめです。
ハワイ島の緑の砂
オリーブ色をしたカンラン石(オリビーン)の砂、グリーン・サンド。ルーペで見るととても綺麗です。熱く真っ赤な溶岩の中で結晶したものです。
赤熱の溶岩が急激に冷えて固まってできた火山ガラスが砕けたものである黒い砂、ブラック・サンドも混ざっています。
ハワイ島最南端サウスポイント(カ・ラエ)の近くにあるグリーン・サンド・ビーチ以外のビーチでも、グリーン・サンド・ビーチほどではありませんが、この緑の砂が混ざっているところが沢山あります。
大気中の二酸化炭素濃度
地球上で体積が一番大きな火山マウナ・ロアは、標高約4170m(この記事を書いた時点ではの高さです。活火山ですから、山頂の下にあるマグマ溜りにマグマが沢山溜まると山が高くなります) で、ハワイ島で2番目に高い山です。ハワイ島の面積の約半分を占めている巨大な火山です。
マウナ・ロアの北側に面した斜面の標高約3397mの地点に気象観測所(Mauna Loa Observatory)があります。その周りは広大な溶岩台地です。この観測所では1950年代より、気候の変化や、大気の構成、空気の質を調査していますが、最もよく知られている調査内容は、大気中の二酸化炭素濃度の測定値の記録です。オゾン、そしてオゾンを破壊する化学物質、太陽放射、大気エアロゾルなどを測定していることでも有名です。
上の写真は、2008年2月1日に観測所を訪れたときに、空気のサンプルを収集させてもらったときのものです。貿易風逆転層上空の公害の影響をほとんど受けていない大気のサンプルです。 (マウナ・ロアの南側で写した逆転層の写真を見る)
二酸化酸素濃度は、季節による変動も起きるそうです。地上植物と土壌による二酸化酸素の取り込みと排出に反映する変化です。
下の写真は、二酸化炭素濃度の測定を始めた第一人者、キーリング博士(Dr. Charles David Keeling 1928-2005)にちなんで名づけられたKeeling Buildingの壁にある記章です。1958年より記録されている二酸化酸素濃度値が描くライン(Keeling Curve)をご覧下さい。このグラフでは1997年までの濃度値までしか見れませんが、現在は385ppm(パーツ・パー・ミリオン parts per million)ぐらいです。2008年2月1日は386.53ppmでした。 最新情報はrecent monthly mean carbon dioxideをクリックしてご覧下さい。
The Keeling Curve Turns 50
(このビデオのBGMは、キーリング博士のピアノ演奏)
The (Ralph) Keeling Curve
(Ralphさんはキーリング博士の息子さんです)
History of Warming
A Day at Mauna Loa Observatory
聖なるマウナ・ケアの山頂で御来光を拝む
2008年6月30日、早朝3時に起床しました。家の外に出て空を見上げると星空がとても綺麗で天の川もはっきりと見えていました。3時半に自宅を出発して、森の中を通るサドルロードをドライブし、森を抜けたところで360度にわたる天を望みました。
天の川が大きく渡る満天の星空、北にはマウナ・ケアのシルエット、南にはマウナ・ロアのシルエット。東の空にはにっこりと笑うような月が見え、素晴らしい暁月夜でした。
再びドライブを開始し、マウナ・ケアの山頂付近に到着したころには、もう明るくなっていました。少し歩いて最高峰へと歩き始めてしばらくすると、雲海から出てくる太陽の光が見え始めました。
左の写真には3つの山が見えているようですが、一番右に見えるのは、マウナ・ケア山頂付近にあるプウ・ポリアフ(雪の女神ポリアフの丘)、その左に見えるのは島の西側にあるフアラーライ山。フアラーライの左斜め上に覆いかぶさるように見えているのは、朝日によって大気に映ったマウナ・ケアの影です。
父なる天の神ワーケアに一番近い、聖なる地に立ち、静なる空間で、清なる気持ちで、生に感謝しました。
6月になって降った霰
この写真は、2008年6月9日午後6時ごろにマウナ・ケアの山頂付近で降った霰です。
いつものように澄んだ青空でしたが、上空にあちこち雲がありました。雪の女神ポリアフの名前がついた丘の近くに立っていた私達の上にしばらく停止していた少し大きめの雲から霰が降ってきました。
10分ぐらい降り続けました。花のような形をしたものもあり、とても綺麗でした。、ポリアフからのプレゼントだったようです。
島の形
ハワイ島で一番古い山はコハラ山です。6万?6万5千年前に噴火したのが最後だろうという火山です。
ハワイの島々は何万年、何十万年、何百万年という歳月をかけて、ゆっくりと爪が伸びるぐらいの速さで日本の方角へと移動するとともに、自然の力で彫刻されていきます。
ハワイ島はハワイ諸島の中で若い島ですから、大きな渓谷は少ないですが、島の北東部だけに切り立った渓谷があります。雨が降り川となり流れ、ゆっくりとゆっくりと彫刻されていきます。
現在島の南東部では、火山噴火とともに流出した赤熱の溶岩が海に流れ込み、島に新しい土地ができて、島が徐々に大きくなっていっています。でもそれと同時に特に北東部の土の多いところでは、海の侵食で島が削られ、また時には島の一部が欠けて海に落ち込んでいき、島が縮小します。
島の一部が海に落ち込むところは、めったに目にすることはありませんが、2008年4月21日(月)の11時ごろ、ポロル渓谷に行ったときに、その瞬間というか、その直後を観ることができました。写真をご覧下さい。茶色く見えているところは、崩れた土砂からの土ぼこりです。
新雪・満月・夜の虹
2008年4月20日のマウナ・ケア山頂での写真です。サラサラとした雪だなぁ、結構新しい雪だなって思いながら、真っ白な雪に足跡をつけながら、4205mの山頂へ向かいました。私は、一歩一歩ゆっくりと登っていましたが、同行していた三女は大はしゃぎ。さっさ、さっさと登っていっては、この写真のように体で滑っていました。(表情が最高に面白い!)後でレンジャーが、前の日のお昼過ぎに雪が降ったんだよと教えてくれまひた。
夕日が雲海に沈み、下山し始めるとオレンジ色をした満月が昇ってきました。その約2時間後ぐらいにヒロへ戻る途中、月の光でできる夜の虹を見ることもできました。
雲海の上から下へとドライブする途中、雲の中に入ると、まるで深い霧のようでしたが、そこに明るい月の光が差し込んでいました。夜の虹が見れるかもと、車の窓から外を見ていると、虹の足が斜め後ろに見えました。車を停めて外に出ると、その虹は、まるで道の上に太鼓橋があるかのように、はっきりと見えました。うっすらと淡い虹色は、とても優しい色でした。色まで見えました。神秘的で、幻想的で、大感動でした。
しばらく外に立って眺めていましたが、車に乗ってドライブし始めてから、道がカーブして、その後は数分間ずっと方角が変わらなかったので、窓から完璧な形を保った虹を見つめることができました。(私はドライバーではなかったのでラッキーでした。)
夜の虹の光は、とてもとても優しい光です。太陽の光が月に反射され、地球の大気を通り抜け、雲や雨や霧や滝のしぶきに当たって屈折して私達の目に入ってきます。とても「有り・難い」光です。
ひので
先週の初め、国立天文台ハワイ観測所の山麓施設で、2006年9月に打ち上げられた太陽観測衛星「ひので」がとらえた高精細な太陽観測画像を見せていただきました。
教育用DVD「ひのでが見た太陽」というタイトルのハイビジョン版ムービーで、 「プロローグ・ひので」 (2分)と「ひのでが探る太陽」(16分)の2つが含まれていました。
太陽は常に地球に共存する生き物全てに恩恵を与えてくれます。私達の目に見える太陽は静かで、その光はとても美しく、その温かさはとても優しく、普段私達はあって当たり前のように思っている太陽の恵みですが、太陽という恒星の活動を地球の大気の外で観察してみると、活動の激しさが見えます。私はこのDVDで太陽の表面の動きを観て、その途轍もなく巨大な力を感じました。
DVDを観ながら、その4日前(3月7日金曜日)にハワイ火山国立公園で観た、キーラウエア火山プウオーオー火口からのオレンジ色の溶岩が止まることなく海に流れ込む様子や、その2日前(3月9日日曜日)の夜にカラパナで観た、海に流れ込む直前のオレンジ色に輝く溶岩の光や、その辺りから立ち上がり揺らぐ水蒸気や、ゆっくりと前進してきた溶岩が内側からむらむらと熱を放ち、固まった表面の亀裂の中が赤く生々しい姿や、山側の溶岩トンネルが破裂して、そこから流出して眩しいほどの光を放ってる溶岩を思い出し、目に浮かべました。生きた地球の力でした。
カラパナで溶岩を観たあの夜、三日月と星をちりばめた夜空の下を歩きました。あの星ひとつひとつが太陽のように活動していて、太陽が私達に力を分け与えてくれるように、月面に反射して地球に到達する太陽の光も、遠く遠く遼彼方からくる星の光も、私達に力を分け与えてくれているんですね。 地球の力よりも、はるかに、はるかに、巨大な太陽と星の力。地球の大気内に入ってくる力はほんの一部で、私達の体で感じ取れるのは、そのまたほんの一部なのだけど、偉大なる力なんだなぁって思いました。
ひので可視光磁場望遠鏡で観測した黒点の動画
ひので可視光磁場望遠鏡で観測したカルシウム線によるフレアリボンの成長を示す動画
ひのでX線望遠鏡で観測されたコロナの構造が太陽の自転によって左から右へ移動していく様子
地球と同じぐらいの大きさのX線輝点が明るくなったり暗くなって消えてしまったりする様子
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