自然現象

クリル諸島(千島列島)での地震による津波

Kuril Islandsハワイ時間11月15日午前1時14分にクリル諸島(千島列島)の東側の海溝で起きたたM8.3の地震により、ハワイでも津波注意報が発令されました。(太平洋津波警報センターはオアフ島のエヴァ・ビーチにあります。) 津波注意報は午前5時に解除されました。

この津波がマウイ島に到達した時間は、午前9時50分で、152センチ(60インチ)の高さでした。ハワイでは、これが最高の高さでした。1964年以来最大の津波です。

アメリカ西海岸にも津波が到達しましたが、一番大きかったのは、カリフォルニア州クレセント・シフィーの、ほぼ正午に到達したもので、176センチ(46インチ)だったそうです。

今回の震源は、太平洋プレートが北米プレートの西側に徐々に沈み込んでいるところで、両プレートの境界で、ひずみが蓄積し、北米プレートが跳ね上がる時に地震が起きるそうです。

SEA LEVEL               INITAL WAVE                        MAXIMUM WAVE
GUAGE LOCATION    PEAK-TO-TROUGH SIZE        PEAK-TO-TROUGH SIZE
Hanalei, Kaua`i         7:16 AM, 30cm (12inch)          8:14 AM, 85cm (33inch)
Nawiliwili, Kaua`i       7:23 AM, 12cm (5inch)            8:23 AM, 88cm (35inch)
Hale`iwa, O`ahu        7:32 AM, 50cm (20inch)          8:48 AM, 115cm (45inch)
Wai`anae, O`ahu       7:34 AM, 12cm (5inch)            8:13 AM, 100cm (39inch)
Makapu`u, O`ahu      7:36 AM, 22cm (9inch)            8:14 AM, 64cm (25inch)
Honolulu, O`ahu       7:40 AM, 9cm (4inch)              9:25 AM, 34cm (13inch)
Mokuolo`e, O`ahu     7:41 AM, 3cm (1inch)             8:32 AM, 10cm (4inch)
Kalaupapa, Moloka`i                                              8:40 AM, 88cm (35inch)        
Kahului, Maui           7:51 AM, 100cm (39inch)        9:50 AM, 152cm (60inch)
Lahaina, Maui           7:56 AM, 5cm (2inch)             9:50 AM, 45cm (18inch)
Kawaihae, Hawai`i     8:00 AM, 16cm (6inch)            10:37 AM, 65cm (26inch)
Miloli`i, Hawai`i                                                    8:45 AM, 23cm (9inch)
Honokohau, Hawai`i                                              8:50 AM, 26cm (10inch)
Hilo, Hawai`i             8:03 AM, 68cm (27inch)          8:25 AM, 98cm (39inch)
Kapoho, Hawai`i                                                   9:00 AM, 13cm (5inch)

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Tsunami
Tsunami Teacher
Pacific Tsunami Warning Center
International Tsunami Information Center
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2006-11-20 | Posted in 自然現象2 Comments » 

 

エルニーニョ現象とラニーニャ現象

エルニーニョ現象は、大気と海洋の大きな相互作用の結果で、気候変動を及ぼします。ペルーの漁師たちが、クリスマスのころに海面水温が高くなる現象をスペイン語で神の子、エルニーニョと呼んでいたのが語源です。

赤道太平洋では、通常の場合、東から西へ吹いている貿易風が、日射によって暖められた海面の水を西へ運び、温まった海水が太平洋の西側に溜まります。水の少なくなった東部太平洋(ガラパゴスやペルー沖では、深いところから冷水が湧昇してきます。西太平洋の暖水は摂氏28度以上あります。その上の空気も暖かく湿っていて、そこでは上昇気流とともに多くの積乱雲が発生します。そこで貿易風が吸い込まれるように強まります。

エルニーニョ現象が起こると、通常吹いている貿易風が弱まり、暖水が西太平洋から東に向かって移動し、対流と降雨のパターンを変化させます。暖水の東へ向かう移動と共に、暖水の上に立つ積乱雲の位置も東に移動し、ますます貿易風が弱まります。反対に貿易風が通常より強まり、東太平洋で強い湧昇により海水温が下がる現象をラニーニャと呼びます。水温はエルニーニョーで摂氏30度ぐらい、ラニーニャで摂氏24度ぐらいです。

ハワイでは1年は2つの季節に分けられます。夏に当たるカウ(日が高く高温で貿易風が安定した5?10月)と、冬に当たるホオイロ(日が低く涼しく、風の不安定な11?4月)です。通常の場合、ホオイロ(11?4月)はカウ(5?10月)に比べて雨が多く、気温も特に朝晩は低くなります。

ホオイロの季節(11?4月)にエルニーニョの影響を受けると、通常より降水量が減り、干ばつが発生します。長期化すると、農業や漁業に問題をもたらし、生活用水が不足し、森林や草地の火災が発生したり、絶滅危機種にも大きな影響をもたらします。 

逆にホオイロの季節(11?4月)にラニーニャの影響を受けると、通常より降水量が増えます。強い低気圧の前線がハワイ諸島まで南下することが通常より多くなり、それに伴い、この時期に発達する亜熱帯偏西風(上空で西から東に向かって吹く、ジェットとも呼ばれる風、特に風の強い部分を偏西風ジェット気流と呼ぶ、夏には北緯50度付近に北上し風速も弱まる)に発生する気圧の谷が島の西側の日付変更線近くにできることにより、暴風雨や雷雨などを伴う「コナ・ストーム」または「サブトロピカル・サイクロン」と呼ばれる擾乱が通常よりも発生しやすくなります。竜巻が発生することもまれにあります。

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エルニーニョの影響を示す地図
ラニーニャの影響を示す地図
トロピカル・サイクロンについて
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2006-10-25 | Posted in 自然現象No Comments » 

 

2006年10月15日のM6.7とM6.0の地震と、その後に続いた余震 (Revised on 12/05/06)

2006年10月15日のM6.7とM6.0の地震後に続発した余震のリスト(M6.7とM6.0の地震発生後24時間以内にM1.7以上の余震が80回以上もあったそうです。11月23日のM5.0の余震が起きるまでに、計160回以上の余震が起きています。以下のリストにはM3.0未満の余震は含まれていません。)

Size    Date        Time        Location
M3.4   12/05/06   02:54am   42km (26 miles) of Hawi
M4.6   12/03/06   02:22am   18km (11 miles) WSW of Kawaihae
M3.0   12/01/06   11:42pm   1 km (0 mile) SSW of Pa’auilo
M3.2   11/25/06   05:49am   10 km (6 miles) NNE of Kukuihaele
M5.0   11/23/06   09:20am   21km (13 miles) WSW of Waikoloa
M3.0   11/18/06   06:18pm   5km (3 miles) WSW of Honoka’a
M3.1   11/15/06   10:08am   11km (7 miles) WNW of Ka’ena Point
M3.7   11/12/06   03:36pm   8 km (5 miles) SW of Waikoloa
M3.2   11/06/06   10:38am   11 km (7 miles) ESE of Waimea
M3.6   10/30/06   06:24pm   10 km (6 miles) SE of Waimea
M3.1   10/29/06   04:55pm   23 km (14 miles) WSW of Waikoloa
M3.4   10/26/06   01:23pm   23 km (14 miles) WSW of Hawi
M3.3   10/21/06   04:29am   32 km (20 miles) NNW of Kailua-Kona
M3.0   10/20/06   01:14pm   23 km (15 miles) W of Kawaihae
M3.1   10/18/06   06:40am   45 km (28 miles) SSW of Makena, Maui
M3.5   10/17/06   06:57am   21 km (13 miles) WSW of Kawaihae
M4.0   10/17/06   05:26am   19 km (12 miles) WNW of Kawaihae
M3.2   10/17/06   12:59am   12 km (7 miles) WSW of Waikoloa
M3.2   10/16/06   08:20pm   35 km (21 miles) W of Kawaihae
M3.4   10/15/06   03:11pm   16 km (10 miles) WSW of Waikoloa
M4.4   10/15/06   10:35am   23 km (14 mies) WNW of Kawaihae
M3.2   10/15/06   09:57am   13 km (8 miles) SW of Waikoloa
M3.7   10/15/06   08:19am   14 km (9 miles)W of Waikoloa
M3.1   10/15/06   07:53am   19 km (12 miles) WSW of Waikoloa
M3.1   10/15/06   07:33am   30 km (18 miles) NW of Kailua-Kona
M3.3   10/15/06   07:30am   10 km (6 miles) S of Hawi
M3.6   10/15/06   07:29am   13 km (8 miles) WSW of Waikoloa
M6.0   10/15/06   07:14am   19 km (12 miles) WNW of Kawaihae
M6.7   10/15/06   07:07am   17 km (11 miles) WSW of Waikoloa     


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2006-10-19 | Posted in 自然現象No Comments » 

 

ハワイにおける過去の地震

Earthquakes
1868年から現在までの間にハワイで発生したマグニチュード6以上の地震のリスト
(このブログ記事内のマップには2006年10月15日の地震の震源は示されていません。その地震の震源を示すマップはここをクリックしてください。

03/28/1868 M7.0 震源:ハワイ島南部
04/02/1868 M7.9 震源:ハワイ島南部、津波発生、100件以上の家屋が壊され、81人死亡

02/20/1871 M6.8 震源:
ラーナイ島

10/05/1929 M6.5 震源:
ハワイ島フアラーライ

01/22/1938 M6.8 震源:
マウイ島の6マイル(9.6キロ)北、被害総額15万ドル

08/21/1951 M6.9
震源:ハワイ島コナ

04/26/1973 M6.2
震源:ハワイ島ホノムー、被害総額:560万ドル

11/29/1975 M7.2
震源:ハワイ島カラパナ、津波発生、2人死亡、被害総額:410万ドル

11/16/1983 M6.7 震源:ハワイ島カオイキ、被害総額:600万ドル以上

06/25/1989 M6.2
震源:ハワイ島カラパナ、被害総額:約100万ドル
10/15/2006 M6.7 震源:ハワイ島カイルア・コナより北北東に10マイル(16キロ)、プアコーより南西に6マイル(10キロ)離れたところ、被害総額7430万ドル以上
Earthquakes in Hawaii


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2006-10-17 | Posted in 自然現象No Comments » 

 

2006年10月15日の地震について (Revised on 05/01/07)

Earthquakes 06-15-06

2006年10月15日午前7時7分49秒に、ハワイ島でマグニチュード6.7の地震が起きました。震源はカイルア・コナより北北東に10マイル(16キロ)離れたところで、ワイコロアの近くに位置するプアコより南西に6マイル(10キロ)離れたところでした。24.2マイル(38.9キロ)の深さで起きた地震でした。
ヒロでも約30秒間揺れました。
その6?7分後(午前7時14分12秒)には、マグニチュード6.0の余震がありました。震源は、ハワイ島北部のハーヴィーより南西に12マイル(20キロ)離れたところでした。11.7マイル(22キロ)の深さで発生しました。
上のマップを見ると、小規模な余震(マグニチュード4.4とそれ以下のもの)が続発したのがわかります。私はハワイ島の東側にあるヒロに住んでいますが、M6.6の本震と、M5.8の余震以降の余震は感じ取ることができませんでした。下のマップは本震の震源地と各地での揺れを色で表したものです。
今回の地震は、現在の火山活動によるものではなく、長い年月をかけて火山活動により島が拡張して地殻の中に蓄えられた圧力が、太平洋プレートの動きとともに、島が私たちの爪が伸びるぐらいの速さで北西へ移動する過程で、急激に開放されたために起きたものです。
被害はハワイ島だけではなく、他の島も影響を受けました。
崖崩れで道路が閉鎖されたり、橋が崩れ落ちたり、民家、ホテル、スーパーマーケット、病院、学校、教会などでは、家具や棚が倒れただけでなく、建物の一部が崩れたなど、広範囲に渡って被害を受けました。崩壊してしまった建物もあります。また石垣が崩れたり、水道管やガス管が破裂したところもあり、火災が発生した民家もありました。カワイハエ港も被害を受け閉鎖されています。
停電も広範囲で起こりました。停電の規模は、震源であるハワイ島よりもオアフ島のほうが、はるかに大きく、回復も遅かったです。オアフ島ホノルルでは、午後10時ごろまで停電が続いたところがあります。閉店となったレストランや商店やガソリンスタンドが多くありました。
停電になった空港では、キャンセル便も発生しました。ヒロ空港は一時的な停電だけで、震源に近いコナ空港でも午前10時には正常に戻りましたが、ホノルル空港では、お手洗いも使えない状態が長時間に渡り続きました。
ハワイ島では、翌日(月曜日)閉鎖された学校がいくつもあります。火曜日も閉鎖されたままの学校がありまし、1週間閉鎖される学校もあります。
フアラーライ山では、少し崩れたクレーターもあり、マウナ・ロア山頂のカルデラの北部も崩れた部分があるそうです。
この地震で死者は発生しませんでしたし、この地震による津波の恐れはありませんでした。今回の地震は日曜日に起きたので幸いでした。
$24.9 MILLIONRELIEF FUND(05/03/07)
   Hulihee Palace: $1 million
   Kohala Ditch: $500,000
   Harbors and parks: $3.5 million
   Upper and Lower Hamakua drainage: $3.5 million
   Kawaihae Harbor: $1 million
   National Energy Laboratory pipeline: $300,000
   Courthouse repairs: $600,000
   Hisaoka Gym, Keokea Beach Park, Paauilo Gym: $850,000
   Kona Community Hospital: $200,000

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October 15, 2006 Earthquake FAQ (USGS)
10月15日の地震による被害の写真集

以下は新聞の記事
Earthquake
 10月15日 (Hawaii Tribune Herald)

Shake, rattle and roll 10月16日 (Hawaii Tribune Herald)
Slides jolts Kealakekua Bay  10月16日 (Hawaii Tribune Herald)
Rattled 10月16日 (West Hawaii Today)
Jolts force infrastructure, business closures 10月16日 (West Hawaii Today)
Damage severe, but no major injuries reported 10月16日 (West Hawaii Today)
Patients evacuated from Kona Community 10月16日 (West Hawaii Today)
E. Hawaii suffers relatively minor inconveniences following quake 10月16日 (West Hawaii Today)
Earthquake aftermath10月17日 (West Hawaii Today)
Hulihee cracking extensive 10月17日 (Hawaii Tribune Herald)
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2006-10-16 | Posted in 自然現象1 Comment » 

 

ブロッケン現象、サンセット、ハーヴェスト・ムーン・・・

Brocken Spectre with Glory

10月6日、マウナ・ケアの山頂で、夕方にブロッケン現象が見られました。1度目は虹色の光環の中に私達の影が見え、2度目は更に大きな虹色の光環の中に、私たちの背後にあった天文観測所のドームの影が見えました。山の影が雲海に映ることはよくありますが、ブロッケン現象が見られることは比較的少ないので、とても感動的でした。
オレンジ色の太陽が遠くに見える雲海の中へ沈んだ後には、大きく黄色に輝くハーヴェスト・ムーンが真っ白な雲の上に出てきました。素晴らしいお月見となりました。
ハーヴェスト・ムーン(Harvest Moon)とは秋分の日に一番近い満月の名前です。3年のうち2年は9月にありますが、10月にある年もあります。ハーヴェスト(harvest)とは英語で収穫という意味です。ハーヴェスト・ムーンは、北米の先住民たちにとっては、トウモロコシ、カボチャ、スクァッシュ、マメ、ワイルドライスの収穫期だという合図です。
月は毎晩、前の夜より約50分遅く出てきますが、ハーヴェスト・ムーンの次の日の夜は、ハワイでは前の夜よりも30分後に出てきます。その次の夜は、1日前の夜よりも35分後に出てきます。アメリカ本土では25分から30分後、カナダやヨーロッパ北部では10分から15分後だそうです。特に北国で農耕を営む人たちにとっては、日没後も月明かりで収穫作業が行える貴重な時期です。
日本での「中秋の名月」は、旧暦の8月15日で、ハーヴェストムーンの満月か、その1?2晩前で、お月見だけではなく、収穫物を月に備える風習が各地に残っています。
ハワイの先住民たちにとっても、この季節は収穫期でした。


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2006-10-08 | Posted in 自然現象No Comments » 

 

飛行機から見たブロッケン現象

2006年7月30日の朝、アロハ航空45便でハワイ島ヒロからオアフ島ホノルルに向いました。8時50分に離陸し、ヒロのケアウカハ地区の上を飛び、ヒロ湾の外側を大きく旋回しましたが、いつものように素晴らしい景色でした。 この日はとても良い天気で、青空に真っ白な雲が出ていました。
飛行機が雲海の上に上がったとき、飛行機の影がはっきりとくっきりと眼下の雲に映っていましたが、その周りに虹色に色づいた二重の輪が見えました。ブロッケン現象です! しばらくすると飛行機が上昇して雲から遠ざかり、だんだん影と虹色の輪が小さく小さくなっていきました。見え初めてから5分間ぐらい目で追うことができました。
ブロッケン現象とは、太陽を背にして立ったとき、自分の影が前方の雲や霧に映り、その周りに虹色の光輪が見える現象です。ドイツのハルツ山脈最高峰ブロッケン山(1142m)でよく見られることからこの名称がついているそうです。
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ブロッケン現象について
http://www.geocities.jp/kockspages/kouzan/phenomena.html http://en.wikipedia.org/wiki/Glory_(optical_phenomenon) http://www.meteoros.de/glorie/gloriee.htm
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2006-08-22 | Posted in 自然現象No Comments »