アララー(ハワイガラス)について

Alalaハワイガラス(Corvus hawaiiensis)はハワイ語ではアララー(`Alalā)と呼びます。 1992年には個体数が12羽になり、最後まで残っていたつがいも、とうとう2002年にいなくなってしまい、野生絶滅種となってしまいました。野生絶滅種とは野生では絶滅し、飼育下だけに生き残っている種のことです。
大きさは48-50センチで、ハシボソカラスよりも嘴が太めです。木の実(アーカラ、アイエア、ホーアヴァ、イエイエカナヴァオマーマキ、マノノ、オハ・ケパウ、オーヘロ、オーラパ)、昆虫、森に住む鳥の卵や雛、花の蜜、花、腐肉などを食べます。
ハワイ島のフアラーライ山と、マウナ・ロア山の西側から南東部の標高300-2500メートルにある比較的乾燥したオーヒアとコアの森に住んでいましたが、減少した原因は、環境が破壊されてしまったこと、外来種の鳥が持ち込んだ鳥の病気を蚊によってうつされるようになったこと(他の鳥たちも同じ理由で1890-1910年に著しく減少しました)、人間が持ち込んだマングースや野良猫やネズミに捕食されてしまうこと、野良猫の糞からトキソプラズマ症に感染してしまうことです。また1890-1930年の間には、農夫たちに撃ち殺されていたようです。1931年より保護されるようになりましたが、それでも1980年代まで、このようなことが続いていたようです。
1973年から個体数を増やすための努力を開始しましたが、結局は野生絶滅してしまいました。飼育施設から野生に戻しても、病気にかかってしまったり、イオ(ハワイノスリ)に捕食されてしまったりしたのです。
問題はアララーに適した環境が殆ど残っていないことです。オーヒアやコアの森では、本来は大きな木の下に下層植物が沢山生えていたのですが、現在は牛などの草食動物に食べられてしまっていて、イオ(ハワイノスリ)に追われても、飛び込んで隠れるところがなくなってしまっているのです。幼鳥は巣立ってからは、しっかりと飛べるようになるまでは地面近くに住みます。地面に降りれば、マングースや野良猫などがいるわけです。また餌を求めて標高が低いところに移動すると蚊がいますから、鳥の病気をうつされしまいます。
いったん破壊されてしまった場所を再び適した環境にするには長い年月がかかります。現在(2006年)飼育施設には53羽いるそうですが、飼育個体数が少ないために、遺伝的な問題もあり、今後も飼育下繁殖をさせるためには様々な難関を乗り越えていかなければなりません。いつか野生復帰が実現しますように。
追記: 1993年から1996年の間に、野生のアララーの巣から卵が採集され、13羽のアララーが生まれました。1993年から1998年の間に、これらのアララーと捕獲した野生の固体の間に生まれた27羽のアララーが放鳥されましたが、そのうち21羽は死んでしまいました。残りの6羽は1998年から1999年の間に捕獲され飼育施設に戻されました。2008年1月の飼育下固体は56羽で、その後5年間の間に個体数を最低75羽にしなければ、自然界への放鳥を試みることができないそうです。
アララーの鳴き声: Yeeow, Aaawaoo, ooWAoo, ooWEE, Raaooo, rrRArr, Medley
Revised Recovery Plan for `Alalā (Jan 2009)

追記:2012年の繁殖期で、個体数が100羽を超えました!

2006-09-23 | Posted in No Comments » 
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