自然保護

野ヒツジによる食害

olapa

 この植物はウコギ科(Araliaceae)の植物でオラパ(`Olapa , Cheirodendron trigynum)といいます。ハワイ固有の植物です。湿潤な森の植物です。
この写真のオーラパはまだ若い固体ですが、下のほうの葉がなくなっていますね。自然に散ってしまったのではなくて、ムフロンという野ヒツジに食べられてしまったのです。
西洋人たちがハワイに持ち込んだムフロン(Mouflon)という野ヒツジや野ヤギや野ブタなどが、ハワイのデリケートな植物たちを食べてしまいます。このような野生動物の食害防止のためにフェンスを張り巡らす必要があります。ほんの一部分の森だけしか守られていません。この写真のオーラパは、最近張り巡らされたフェンスの外にあるものです。
昔の人たちは、オーラパの葉や木皮を青い染料として用いました。

omao

ハワイ島ではオーラパの実を、オーマオという鳥が食べます。ハワイ島の湿潤な森にしかいないツグミの仲間です。(このオーマオの写真はOahu Nature ToursのMichael Waltherが撮ったものです。)
オーラパの葉が風に吹かれると、滑らかでしなやかな動きを見せてくれます。フラの踊り手のことをオーラパと呼ぶ理由がよくわかります。

2008-05-29 | Posted in 自然保護2 Comments » 

コメント2件

 Lilikoi | 2008.05.31 20:48

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今、「ハワイイ紀行」読んでます♪
生態系がどんどん変わってきているのを、感じる(生きている歳月に中でも)位です・・・
周りの草花を取ってみても、昔見れたものがだんだん少なくなって見れなくなってきていたり・・・
強いものに追いやられていくんですね・・・
オマオがずっと住める場所が残っていて欲しいですね。

 Kumiko | 2008.06.01 1:45

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牧場となり過去200年の間に、下生え(大きくなったオヒアの木の合間の優しい木陰の中に生えていた草やシダや低木などの下層植生)が食べつくされてしまったところを、フェンスで取り囲んで、ウシやイノシシなど森を痛めつける動物を出してしまうと、一人ぼっちになっていたオヒアの木の下に、オラパやプキアヴェなどが生えてくるんですよ。オヒアの枝にとまったオマオが、そのような植物の種を糞とともに落としてくれるからなんです。
ツグミの仲間だと、ハワイ島のオマオと、あとはカウアイ島のプアイオヒだけしか残っていないのです。そしてカウアイ島のプアイオヒは、かなり減少してしまっていて、飼育センターで育てたものを放鳥してあげていますが、現象する一方なんです。

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