自然保護

できることから始めよう・・・

patagonia book今年4月に東京のパタゴニアで見つけた本です。
できることから始めよう・・・。
誰にでも分かる環境BOOK
地球を汚す人間、パタゴニアは、なぜ環境問題に取り組むのか、パタゴニアの環境への歩みなどについて書いてあります。そして私たち一人ひとりができること。
その中で、とても気に入った文章は、
「人間には知恵があります。今までは、その知恵を生活の向上のために使ってきました。それなら今度は、知恵と工夫によって、地球環境の持続に貢献することだって、できるはずではありませんか?」

2008-08-03 | Posted in 自然保護3 Comments » 

 

Aloha ‘aina

Aloha ‘aina
Love of the land / love of one’s country
大地を愛する心・自分の国を愛する心

2008-07-24 | Posted in 自然保護2 Comments » 

 

耳を傾けたいもの

耳を傾けたいもの・・・それは、
Na leo o ka ‘aina
Voices of the land
大地の声
Na leoは複数の声を意味しています。単数であればKa Leoです。
大地の声・・・色んな声があります。
自然の声は多彩です。

2008-07-22 | Posted in 自然保護4 Comments » 

 

ハワイの陸貝

 

 

East African Land Snail 

東アフリカ原産のアフリカマイマイ(East African Land Snail, Achatina fulica)は、成貝の殻径は7?8cm、殻長は20cmぐらい(またはそれ以上)で、世界最大の陸産巻貝の一種です。
日本には食用目的で人為的に持ち込まれたそうですが、1936年ごろから日本経由でハワイに人為的に持ち込まれるようになったそうです。主な目的は食用、鑑賞用でした。
夜行性で、夜になるとエサを求めて移動します。雑食性で、植物の芽、葉、茎、果実、落ち葉、動物の死骸などを食べます。巨大な殻のためのカルシューム分を補給するために、砂やコンクリートを食べることもあります。ナメクジと同じくビールが好きです。野菜や果樹など農作物に食害を及ぼすのでよくないです。
また、中間宿主とする広東住血線虫 (Angiostrongylus cantonensis)いう寄生虫は、人間に寄生した場合、好酸球性髄膜脳炎(eosinophilic meningoencephalitis)を引き起こす危険があり、場合によっては死に至ることもあるそうです。
アフリカマイマイは外来種浸入種ワースト100の選定種にもなっています。 1955年にアフリカマイマイを駆除するために、環境にやさしい生物的制御(biological control)として、ヤマヒタチオビ(carnibal snail, rosy wolf snail, Euglandina rosea)という肉食性の陸貝がハワイに持ち込まれました。アメリカ合衆国南東部フロリダが原産地で、成貝の殻径は約2cm、殻長は約6cmぐらいの陸貝です。

snails

上の写真は、ヤマヒタチオビがアフリカマイマイを攻撃している様子です。2007年12月にカウアイ島で写したものです。個別では見たことは何度もありましたが、このようなのは初めてでした。
ハワイにはハワイ固有の陸貝が棲んでいます。全て小さな巻貝です。移動能力が小さくて、一生同じ木で過ごすものもいます。長距離の移動もしないし、山や水域を越えることもないので、地域ごとに違った固有種へと進化しました。 ヤマヒタチオビは、動きの速い巨大なアフリカマイマイよりも、動きが遅く小さなハワイ在来の陸貝を捕食してしまいます。ハワイ在来の陸貝はネズミにも食べられてしまいます。
ハワイの陸貝の多くはすでに絶滅してしまっていて、残った種も絶滅危機におかされているものが多いです。色帯が綺麗な種(achatinellやpartulina)は、1850年ごろからコレクションとして大量に採集されました。これもこれらの種を絶滅に追い込んだ原因のひとつです。ただ茶色い種(succinea)はコレクターたちによる害を受けませんでした。
ハワイ固有の陸貝は、アフリカマイマイとは違って、植物を食い尽くすことはなく、植物についている菌類(black sooty moldなど)を食べます。葉を綺麗にしてくれるので植物の光合成を促してくれます。害になる生物ではなく、役に立つ生物なのです。
ハワイ固有の陸貝の寿命は約10年で、5?7年でやっと性的な成貝となります。雌雄同体ですが、自家受精はしないで、他の個体と相互に交尾して受精します。卵胎生なので、卵を体内で孵化させて稚貝を直接生みます。繁殖は1年に2,3回だけで、1度に1匹しか生みません。
Important Hawaiian Invertebrates (Oahu Tree Snail Video)
Important Hawaiian Invertebrates (Predation Video: Footage of a wolf snail devouring a small snail)
Bishop Museum (Hawaii’s Extinct Species–Snails)
Maui Historical Society (Hawaiian Land Snails, David Dwight Baldwin Hawaiian Land Snail Collection)

2008-07-02 | Posted in 自然保護2 Comments » 

 

ハワイで一番大きなバッタ

schistocerca nitens

ハワイには5種類のバッタが持ち込まれていますが、個体数は少ないようです。でも、1964年ごろに持ち込まれた北アメリカの西側原産のGray Bird Grasshopper(Schistocerca nitens)は、体長は5?7cmで、ハワイでは一番大きい種です。

sida fallax

南東ハワイ諸島(ハワイの主な8つの島々)では、このバッタによる被害は現在のところ大きくありませんが、北西ハワイ諸島のフレンチ・フリゲート環礁やネッカー島やニホア島でも繁殖していて、特にニホア島では1800年代に繁殖し始め、2002年と2004年に急激に繁殖して、この島のほとんどの植物が食べられてしまったそうです。2005年にはバッタの数が減り植物が戻ってきたそうですが、また増える可能性があります。ニホア島固有のニホアヨシキリという鳥(Nihoa Millerbird, Acrocephalus familiaris kingi) が食べてくれますが、食べきれないほど繁殖してしまったそうです。
ハワイを含む太平洋諸島原産のアオイ科キンゴジカ属のSida fallax(ハワイ語でイリマ)などを食べてしまいます。

2008-06-20 | Posted in 自然保護2 Comments » 

 

Hang out with shady characters, do-gooders, and beauty queens.

poster2007年12月にカウアイ島ポイプにあるアラトン・ガーデンで見つけたナショナル・トロピカル・ボタニカル・ガーデンのポスターです。 この植物園のメンバーになりませんかというお誘いのポスターです。

Hang out with shady characters, do-gooders, and beauty queens.

文字通りに訳すと、「怪しい人たち、お節介な慈善家たち、美人コンテストの優勝者と付き合いなさい。」 このポスターは植物園が関連しているので、"shady characters"は日陰の植物、 "do-gooders"は薬草とか人のためになる植物など、"beauty queens"は綺麗な植物を意味しています。

とても面白い表現ですね。とても気に入りました。

 

2008-06-08 | Posted in 自然保護4 Comments » 

 

野良猫の害

feral cat先月、裏庭に遊びに来た猫です。私達が裏庭で遊んでいたら、庭を横切ってきました。警戒しているようでしたが、少しずつ近づいてきました。近所の飼い猫なのでしょうか。それとも飼い猫が捨てられて野良猫になったのでしょうか。それとも自分から自由を求めて野良猫になったのでしょうか。
缶詰のマグロをあげると、喜んで食べていました。ミルクも美味しそうに飲んでいました。急な動きや音にはとても敏感のようでしたが、人懐っこい猫でした。今でも毎日のように我が家にやってくるので、三女のペットとなりました。ペットがほしいほしいと言っていたので、ちょうどよかったです。
猫はかわいいですが、野良猫となってしまうと、ハワイの自然にとってはよくないです。絶滅危機に直面している鳥を食べてしまうからです。
先月、野鳥の撮影に行ったとき、州政府の自然管理局の人たちが、野良猫を捕まえるために設置したトラップを点検する作業をやっていました。この乾燥林には、絶滅危機に直面しているパリラという鳥が棲んでいます。雄のほうが多くの残っているそうです。繁殖期に野良猫やネズミが、巣で卵を温めている雌は襲われやすく、卵や雛が食べられてしまいます。
パリラはマウナ・ケアの西側に面した比較的標高が高いところにある乾燥林にしか棲んでいません。昔はフアラーライ山やマウナ・ロア山にも棲んでいましたそうです。絶滅危惧種です。
現在パリラが棲んでいるところは、西洋人がハワイに来たころのパリラの生息範囲のたった5%の範囲だそうです。もともと棲んでいた環境が野生化したヤギやムフロンという野生羊の食害で棲めない状態になってしまったこと、鳥のマラリアやポックスに感染して死んでしまったこと、外来植物の繁殖など、個体数減少の原因がたくさんありますが、野良猫やマングースやネズミに捕食されてしまうということも原因のひとつです。
USGS PIERC: Mammalian Predators in Hawaii wet forests
USGS HVO: Small mammal predators invade Hawaii
USGS PIERC: Palila Restoration

2008-06-04 | Posted in 自然保護4 Comments » 

 

野ブタによる害

hapuu

野ブタ(Feral pigs, Sus scrofa)はもともとハワイにいた動物ではなく、西洋人が狩猟を目的として持ち込んだユーラシア原産のセイヨウイノシシです。(ポリネシア人が持ち込んだブタは小型のもので、もともとは東南アジアからのアジアイノシシものと言われています。家畜として飼われていましたが、野生化したものもいたとでしょう。)近年野ブタの数は増加する一方で、大きな問題になっています。
野ブタは森林の中に住んでいます。餌探しのために地面を掘り起こし、植生を荒らしてしまいます。西洋人が農業のために持ち込んだミミズ、湿潤な森林に生えるハープウ(ハワイ固有木生シダの一種)の硬い木質の幹の中のデンプンを好んで食べます。野ブタがハープウを押し倒して中を食べてしまうと、上の写真のように、食害を受けたハープウの木化した幹が細長い器のように残って雨水が溜まります。
蚊が住んでいる標高の低いところで、そのような水溜りができると、蚊が増える原因となります。外来の鳥たちが持ち込んだ鳥のマラリアを蚊が媒介します。鳥のマラリアに抵抗力がないハワイ固有の鳥たちは、蚊がいる環境には棲めません。
hapuu 2野ブタは外来種の植物であり繁殖力が旺盛なストロベリー・グアヴァ(Psidium cattleianum)も好物で、この植物の種を運びます。外来の雑草の種も運びます。原生林の中で在来植物を食べてしまうだけでなく、原生林に外来植物が侵入する手助けをしてしまいます。外来植物が増えると、在来植物が益々減少し、在来の虫や鳥たちにとって棲みにくい環境になってしまいます。
ハープウはタカワラビ科タカワラビ属のシダです。何種類かのハープウがありますが、この写真のように茶色い綿毛が生えたシダはその一種のハープウ・プル(Hapu’u Pulu, Cibotium glaucum) です。綿毛は新芽を保護しています。hapuu 1
とても大きな木生シダで、6メートルぐらいの高さまで成長します。湿潤な森のオーヒア・レフアの程よい木陰に生えているハープウは大変美しいです。
野ブタの食害を防止するために森林にフェンスを張り巡らせますが、そのように保護されていれる森林は現在ほんのわずかにしかありません。
本来あるべき湿潤な自然林の姿と野ブタの食害を受けた場所の写真

2008-06-02 | Posted in 自然保護6 Comments » 

 

Saving The Nene, World’s Rarest Goose

National Geographic Vol 128 No. 5

1965年11月のナショナル・ジオグラフィック(National Geographic Vol. 128 No. 5 November, 1965)に記載された「Saving The Nene,, World’s Rarest Goose」という記事を読みました。1965年というのは昭和40年で私が生まれた年です!
捕鯨船が盛んにハワイの港に入ってきていたころ(ハワイでの捕鯨の最盛期だったのは1843年から1860年)、ネーネー(ハワイガン Branta sandvicensisを捕獲して塩漬けにしたものを樽に入れて、食料として捕鯨船に積み込んでいたそうです。
カリフォルニアのゴールドラッシュで金鉱脈目当ての開拓者たちが急増した1849年には、カリフォルニアからハワイに洗濯物が送られ、洗濯済みの服などと共にジャガイモ、果物、豚肉、鶏肉など、そしてネーネーの肉も送られたという話もあるそうです。
1902年には、ネーネーを捕獲してもよいのは4ヵ月半に渡るハンティング・シーズンで、1人につき1日6羽という制限があったそうです。ナチュラリスト達がネーネーが減少していることを心配してハンティングに反対していましたが、1911年までネネの捕獲は禁じられませんでした。
ハワイ島ヒロのハーバート・C・シップマン(Herbert C. Shipman)氏は1918年にネーネーのつがいを友人(プウヴァアヴァア牧場のロバート・ハインド氏の奥さん)からもらい、ヒロの少し南のケアアウにある彼の私有地で飼育しました。このつがいから個体数を増やしていきました。数羽の若鳥がマングースに食べられてしまったそうですが、1927年には小さな群れをなすだけの個体数に増えていたそうです。
そのころ野生の個体数はほんのわずかにしか残っていなかったそうです。そして当時はまだネーネーの生態について研究されていないという状態でした。
1930年にはハワイ島で野生の個体数が数羽だけ、マウイ島では絶滅とみなされました。(カウアイ島のネーネーは、キャプテンクックが初めてハワイに来たころには、すでに絶滅してしまっていました。もともとカウアイ島の低地には沢山のネーネーが棲んでいたというのが、半化石の骨が見つかったので判明しました。)1946年の津波で、それまで43羽まで増えていたシップマン氏のネーネーうち、11羽以外は波によって溺れ死んでしまいました。シップマン氏は生き残ったネーネーをキーラウエア火山の南側に面した中腹のアイナホウに移動させました。この記事が書かれた1965年には16羽に増えていました。(この記事を読むと当時その辺りにはアマキヒやアパパネやイイヴィというミツスイの仲間達が住んいたようです。現在そこにはアマキヒとアパパネはまだいますがイイヴィはいません。)
1949年にユネスコがスポンサーするInternational Union for the Protection of Natureがネーネーを絶滅危機におかされる13種の鳥の1種として指定しました。1950年にイギリスのWildfowl Trustのディレクターであるジョン・イーランド(John Yealland)氏がハワイ島ポハクロアで、ネーネーの飼育におけるテクニックを研究しました。イーランド氏はシップマン氏から授かった2羽のネーネーをイギリスに連れて帰りました。つがいだと思っていたら両方とも雌だったそうで、後で雄がイギリスに送られ、1952年にはこのプログラムが上手くスタートしました。この雄の名前はカメハメハだったそうです。2羽の雌とカメハメハとの間に9羽の雛が生まれました。
その後このイギリスでのプログラムは継続され、この記事が書かれた1965年までの間に、この3羽は計195羽の子孫を残したそうです。これらの鳥たちは、イギリスだけでなく、デンマーク、フランス、オランダ、スイス、西ドイツの飼育・増殖施設に送られました。
1958年に米国北東部のコネチカット州リッチフィールドにもつがいが送られ、米国内初の飼育・増殖が始まりました。1965年までにそのつがいから25羽増やすことができたそうです。
1958年にはU.S. Bureau of Sport Fisheries and Wildlifeがネーネーを保護するための5年計画に補助金を出してくれました。そしてネーネーはハワイ準州を象徴する鳥(Territorial bird of Hawaii)として指定されました。ハワイ準州からハワイ州になったのは1959年です。ネーネーは現在もハワイ州の鳥(State bird of Hawaii)と指定されています。
ハワイ島ヒロ市内の公園にネーネーがやってきます。シップン家の私有地(ヒロから少し南にあるケアアウ)で飼育しているネーネーが飛んできているようです。

2008-05-31 | Posted in 自然保護7 Comments » 

 

野ヒツジによる食害

olapa

 この植物はウコギ科(Araliaceae)の植物でオラパ(`Olapa , Cheirodendron trigynum)といいます。ハワイ固有の植物です。湿潤な森の植物です。
この写真のオーラパはまだ若い固体ですが、下のほうの葉がなくなっていますね。自然に散ってしまったのではなくて、ムフロンという野ヒツジに食べられてしまったのです。
西洋人たちがハワイに持ち込んだムフロン(Mouflon)という野ヒツジや野ヤギや野ブタなどが、ハワイのデリケートな植物たちを食べてしまいます。このような野生動物の食害防止のためにフェンスを張り巡らす必要があります。ほんの一部分の森だけしか守られていません。この写真のオーラパは、最近張り巡らされたフェンスの外にあるものです。
昔の人たちは、オーラパの葉や木皮を青い染料として用いました。

omao

ハワイ島ではオーラパの実を、オーマオという鳥が食べます。ハワイ島の湿潤な森にしかいないツグミの仲間です。(このオーマオの写真はOahu Nature ToursのMichael Waltherが撮ったものです。)
オーラパの葉が風に吹かれると、滑らかでしなやかな動きを見せてくれます。フラの踊り手のことをオーラパと呼ぶ理由がよくわかります。

2008-05-29 | Posted in 自然保護2 Comments »