鳥
イオ(ハワイノスリ)
Original post on Instagram on July 14, 2018 by @birds_hawaii_pastpresent , Photo by @live.love.bird
🌿イオ(‘Io)は、ハワイ固有種の猛禽類の中で最後に生き残った種。
🌿北アメリカのノスリ属に近い種だが、長い翼を持ち、開けた空間で空高く飛び狩を行うノスリとは異なり、森で狩を行う。これはノスリ属では珍しい。イオの翼は短めで、尾は長め。アメリカ本土のノスリと同じで、色の薄いタイプと濃いタイプがある。他のノスリ属の種と同じくオスよりもメスの方が大型。オスは動きの速い獲物を捕らえるのに体が小さい方が有利、メスが抱卵して、雛を育てる。
🌿本来ハワイ諸島に広く分布していたが、現在はハワイ島のみに生息している。外来種の鳥やネズミ、マングース、子ネコなども食べ、鳥の病気に強く、標高の低い環境にも生息している。個体数は増えていて、島のあらゆるところに生息している。
オーマオとプアイオヒ
Original Post in English was on Instagram on February 21, 2018 by @birds_hawaii_pastpresent 🌿 かつてハワイには、少なくとも5種のツグミが生息していましたが、ネズミやネコなどに捕食されたり、生息環境の悪化や、病気などが原因で、現在は2種しか残っていません。ハワイ島のオーマオ(‘Ōma’o ハワイツグミ、上の写真2枚)と、カウアイのプアイオヒ(Puaiohi カウワイツグミ、下の写真2枚)です。オーマオは脚が黒く、プアイオヒは脚がピンクで、目のまわりの色が薄く、オーマオよりもやや小柄です。
🌿 オーマオはハワイ島の風上側のやや雨が少なめな森林や、雨が多い森林、高山の灌木地帯に、17万な、20万羽います。ハワイ島の風下側は1900年代初期にいなくたってしまいました。
🌿 プアイオヒはカウアイ島のアラカイ自然保護区に500羽以下しか残っていない絶滅危惧種です。森林の中にある切り立った谷に生息し、谷の斜面に巣を作ります。ネズミが巣をあさり、ネコが巣立ったばかりの幼鳥を襲うので、これらの動物の駆除をし、これ以上の個体数の減少を食い止める努力を行なっています。
🌿 オーマオもプアイオヒも、そしてアララー(ʻAlalā ハワイガラス)は、植物の実を好んで食べるので、森林に実をつける植物があることは大事であり、種子を散布する鳥たちは、生態系の大事な一部です。
イイヴィ(ベニハワイミツスイ)
🌿 Original content in English by @birds_hawaii_pastpresent on Instagram on August 8, 2018
🌿 Photo by Ann M. Tanimoto-Johnson
🌿 キャプテンクックがハワイ諸島を発見したころには、イイヴィ(i’iwi ベニハワイミツスイ)の個体数は約1900万でしたが、現在はその約0.03%、約60万羽以下しか残っていません。そのうち約51万羽はハワイ島です。マウイ島は約6万羽、カウアイ島は約3000羽、オアフ島とモロカイ島は、どちらもたった5-10羽だけです。
🌿 昔ハワイでは鳥の羽を、アリイ(ali’i 最高位に属する人たち)が身につけるアフウラ(‘ahu’ula ケープ)などに用いられていました。イイヴィの非色の羽は、戦争の神クー(Kū)と関連づけられ、精神的な保護を受け、戦いの力や技、支配力を授かることができると考えられていました。1着に約6万羽の羽が必要ですから、もし現在作るとすれば、残っているイイヴィ全部の羽を合わせても10着ほどしか作れないです。
🌿 悲しいことに現在イイヴィは急激に減少していて、2017年より絶滅危惧種に指定されています。鳥のマラリアを媒介する蚊の解決策の研究、ノブタ、ノヒツジ、ノヤギなどの侵入防止のための柵の設置、森林再生などの努力が払われています。
🌿 ハワイだけでなく世界中で人間が起こした自然環境破壊。関心を高めて、ボランティア活動などに参加するなど、まずは身近な環境でできる限りの努力をしましょう。
NHK BSプレミアム ワイルドライフ「ハワイ島 野鳥の楽園 森を舞うミツスイ 進化の秘密を探る」
NHK BSプレミアム ワイルドライフ「ハワイ島 野鳥の楽園 森を舞うミツスイ 進化の秘密を探る」
太平洋の中央にあるハワイ諸島。その中で一番大きいハワイ島は固有種の宝庫。代表は野鳥ハワイミツスイの仲間だ。1種の祖先から食物ごとに適応して60種近くにまで分化し、くちばしの形も、花の蜜を吸うために細く曲がったり、堅い木の実を食べるために太く大きくなったりとさまざまだ。森の恵みを得るだけでなく、中には森作りに一役買っているものまでいる。独特の生態系と鳥たちの生活に密着して、固有種進化の秘密を探る。
2019年5月6日に放送されました。NHKオンデマンドでPCや、スマートフォン、タブレット、高機能TV等で動画を見ることができます。(日本国内限定・有料)
次回の講演会のトピックにしたいのはアララー
昨日(2018年11月15日)’Return to the Wild: ʻAlalā Reintroduction Efforts”とう話を聞きにいってきました。ハワイ島固有のカラス、アララーを野生復帰させるための努力が長年続いているのですが、2016年、2017年、2018年の放鳥の経過報告など、色々と学ぶことができました。2016年に話を聞きに行ってから、その後はなかなかタイミングが合わず講演会に行けなかったのですが、今回はぴったりなタイミングで講演会がありました。
私はこれまでハワイの自然を紹介するための講演会を開かせていただいたのですが、私のプレゼンテーション(4つほど作りました)には必ずアララーが登場します。今後また講演会を開かせていただける機会ができれば、ぜひともアララーをメイントピックにしたプレゼンテーションにしたいと強く感じています。2017年10月に稲村ケ崎で開かれた講演会では、ハワイの絶滅危惧種について話していたときに、涙をこらえることができなかったのを思い出します。
E Hoʻolāʻau Hou ka ʻAlalā !
May the ʻalalā thrive once again in their forest home!
アララーが再び森林で群れを成し力強く生きていけますように。
2017年と2018年に放鳥されたアララーは、全員まだ健在です。
“The Endangered Forest Birds of Hawaii”
カウアイ島の絶滅危惧種の森の鳥たちを保護するための努力に関するビデオです。カウアイ島のツグミ「プアイオヒ」、ハワイミツスイの「アキキキ」(現在の個体数は約450)と「アケケエ」(現在の個体数は約950)の3種です。
「アキキキ」と「アケケエ」は2010年に絶滅危惧種に加えられました。ノブタの侵入がないように森林をフェンスで囲んで保護し、ノネズミ退治をし、外来植物の駆除もします。2015年から、10~15メートル平均50時間もかけて巣を探し、17ミリ程度の小さくデリケートな卵を採集し、飼育の努力も行っています。飼育センターでの個体数が十分な数に達したら放鳥が始まります。
「プアイオヒ」の同じようは飼育・放鳥プログラムは上手くいき、これまで何百羽ものプアイオヒが放鳥されました。
このビデオでは、ハワイ島の絶滅危惧種(野生絶滅)のカラス「アララー」のことも学ぶことができます。人間がハワイ諸島に移住してくるまでは、約5種のカラスがハワイ諸島に棲んでいたということが分かっています。現在112の成鳥が飼育センターにいます。今年放鳥された若い5羽のうち3羽は死んでしまいましたが、今後の放鳥プログラムの成功を祈っています。
The Endangered Forest Birds of Hawaii from Hawaii DLNR on Vimeo.
アララーの自然界に戻る第一歩
2002年に最後の野生のアララー(ハワイ固有のカラス、ハワイガラス)が姿を消してしまってから、当時飼育下のアララーの繁殖を進め、やっと今年12月14日に今年産まれた雄5羽をが自然界に放鳥されました。飼育されたアララーが放鳥されるのは1990年代ぶりです。30年以上自然環境保護したハワイ在来種植物が自生する森林に放鳥されました。そこはハワイ固有の鳥が12種生息している森林です。そこに順応して定着できますように!
アララーの遠い親戚にあたる南太平洋のニューカレドニアに生息するカレドニアガラスと同じように、アララーは道具を使って獲物を捕まえます。隔たれた島いう環境での共通した進化なのでしょうか。
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追記
残念ながら、放鳥されてから2週間内に、5羽のうち3羽は死んでしまったそうで、残りの2羽は、屋外に作られた檻に戻されました。
ハワイガン「ネーネー」の季節移動
ネーネー(Branta sandvicensis)はハワイ固有のガン。2006年には全島合わせて約1600羽、2011年には約2000羽と聞きいてましが、今年7月13日のヒロの新聞(Tribune Herald)には、現在2500羽以上いると書かれていました。1950年代には絶滅寸前だったネーネーですが、保護の結果やっとここまで増えました。ネコやマングースやネズミなど、ネーネーにとってよくない問題は、今でも色々とあるのですが、更なる研究により、ハワイ島内での季節によるネーネーの移動パターンがわかったので、このデータがネーネーの移動経路や生息地の環境保全に大いに役に立っています。
Wings of the Albatross
Flight of Alala